はじめに
ようこそ、dos入門の講座へ。
dosって、苦労して学ぶ必要あるの?現在のWindows世代では、誰もがそう考えるだろうと思います。ウィンドウとマウスが当たり前の簡単パソコン操作では仕方ない面もありますが、ほんのちょっとだけでもdosを学べば、きっとあなたのパソコン操作にスゴイ意識改革が起きるはずです。
ぜひ、一緒にdosの世界を探検してみましょう。
DOS(ドス)ってなに
MS-DOS(エムエスドス)って何でしょう?MSはMicrosoftの略で、DOSはDisk Operating Systemの略です。実際はMS-DOSもWindowsと同じくOSというソフトウェアの仲間なのですが、見た目がかなり違います。
DOSの歴史は古く1981年にMS-DOS(略してDOS)の初版が出てから1993年くらいまで改良・改版され続けました。今ではWindowsの中で一つのアプリケーションのように存在しています。ちなみに、DOSといったらMS-DOSのことを示すことが一般的です。
Windowsが市場に広がるまでは、みんなDOSを使ってパソコンを操作していました。DOSでワープロを使って文章を書き、DOSで通信ソフトを使ってメールしていました。ファイルの整理・整頓もDOSで行なっていました。
しかし、ある程度は勉強しないとDOSの操作は難しく、キーボードによるDOSのコマンド入力が素人受けしないこともあって、グラフィックとマウスを多用するWindowsにパソコン市場を明け渡すことになりました。
どうしてDOSを学ぶの?
じゃあ、今さらどうして、DOSを学ぶ必要があるのかとも思うことでしょう。実はDOSの時代に簡単にできていたことが、Windowsの時代では簡単にできないことも多いからなのです。
Windowsがパソコンに詳しくない人までユーザ層を広げたことは確かですが、同時にパソコンとして退化してしまった部分や忘れ去られた部分があることも事実です。
- あるフォルダの中の数百のファイルからテキストファイルの一覧表を作りたい。
- 数本あるテキストファイルをまとめて一本のテキストファイルにしたい。
- ディレクトリにあるファイルの一つ一つの使用容量を知りたい。
これらは全て、DOSであれば数秒で解決できる作業です。しかし、Windowsだとマウスとウィンドウを使って、カット&ペーストを多用します。そして幾つかの工程を経ながら、やっと作業完了です。最新鋭のパソコンを使っているのに、何か野暮ったくありませんか。
みんな持っているDOS
ところで、このDOS。実はみなさんの手元にあります。Windowsパソコンには、DOSプロンプトというアプリケーションが無料で用意されています。
つまり、今お持ちのWindowsですぐにでもDOSを使うことができます。ただし、DOSはWindowsと違ってマウスを使うことはありません。キーボードからの入力だけで、ファイルの作成や削除、ファイルの閲覧、フォルダの作成、そしてプログラムを実行します。
DOSの操作がキーボードだけというのは不安ですね。確かに、Windowsはマウスをクリックすればいいだけですから分かりやすさがあります。でも、Windowsが見せているパソコンの姿はほんの一面です。DOSを知ることでパソコンとは何か、コンピュータとは何かが見えてくるのです。
ウェブデザイナーのチアキちゃんがdosを学ぶ物語「ときめきDOSライフ
」もあります。DOSを知りたいけど何だか取っ付きにくいなと思っている方もどうぞ。
最初はDOSへの敷居が高いかもしれません。でも、WindowsとDOSを同時に使いこなすことができたら、今までにない世界が目の前に広がるはずです。コンピュータって、こんなことができていたんだ…と本講座を読み終える頃には思っていることでしょう。
本講座は最低限のDOS操作を覚えるものです。DOSはコマンドの数もとても多い上に入力テンプレートや自動実行のためのバッチ処理など、たくさんのテクニックが存在します。詳しく学びたい人は本講座をきっかけにして、インターネットや書籍等で調べるといいでしょう。しかし、過度に難しいことをしないなら本講座をマスターすればDOSの操作は必要十分です。DOSを知っているという人でも本講座を満遍なく知識として把握している人は意外に少ないのが実際です。