バイオリズムで体調管理
よく巷で語られるバイオリズムはドイツの外科医ウィルヘルム・フリースが1897年(明治30年)に提唱した概念だそうで、人の全体的な調子(バイオ)を身体、感情、知性の3つに分けて数値化します。そして、なんと人は誕生したときから、この3つの調子が周期的(リズム)に増減を繰り返しているというのです。
人の調子を3つに分けてしまうのも大胆ですが、それぞれが周期的に変動すると考えるのも根拠が薄い感じはします。とはいえ、頭から全否定するのも考え物です。月齢は周期的に変動していますが、満月や新月の日には交通死亡事故が多いなど、人間の行動が月齢に影響を受けていることは確からしい感じがします(月齢とルナティックも参考にどうぞ)。
そう考えると曲がりなりにも周期の考えを取り入れているバイオリズムがまったく当てにならないと一蹴する気にもなれません(占いよりはよいかもと思える程度)。信じるか信じないかはあなた次第ということですが、少なくとも趣味的なアプリケーションとして、取り上げる分には面白いでしょう。
バイオリズムの計算式
さて、バイオリズムを計算するにあたって、身体、感情、知性の3つの調子を定義するのですが、それぞれは身体(Physical)、感情(Sensitivity)、知性(Intellectual)で表されます(PSIと略されることも)。以下がそれぞれの数式です。
Physical = sin(--- * 2π) 身体のリズム
23
t
Sensitivity = sin(--- * 2π) 感情のリズム
28
t
Intellectual = sin(--- * 2π) 知性のリズム
33
数式中のtが誕生日から当日までの経過日数で、πは円周率です。
なぜ、正弦波(sin)なのか?なぜ、身体周期が23日で感情が28日、知性が33日なのか?なぜ、振幅は一定なのか不明なのですが、そのまま信じて計算してみましょう。
計算値は-1から+1までの数値になりますが、プラスだと調子がいい日でマイナスは調子の悪い日です。当然、3つは周期が異なりますから、全てが絶好調のこともあれば、身体のリズムは調子がいいけど、知性のリズムは調子が悪いということもあります。
バイオリズムではプラスとマイナスに切り替わる付近で、体調変化が激しくなるので注意が必要だと言われています。
rpnでバイオリズム!
上記3つの数式を計算すればいいのですが、生まれた日からの経過日数の計算など面倒なので、プログラムにまとめてみました。
バイオリズムプログラムのダウンロード
- バイオリズムプログラムのZIPファイルをダウンロードしてください。
- ダウンロードしたZIPファイルをダブルクリックするとbiogram.objが表示されます。
- biogram.objを格納したいフォルダにドラッグすると以下のダイアログが出てきます。
- パスワードを入力してください。一致していれば、biogram.objが解凍されます。
| パスワードの入力 |
+-------------------------------------------------+
| +-----+ |
| ファイル'biogram.obj'はパスワードで保護され | OK | |
| ています。 パスワードを入力してください。 +-----+ |
| |
| +----------------------+ +-----+ |
| パスワード(P): | | |キャンセル| |
| +----------------------+ +-----+ |
+-------------------------------------------------+
※パスワードは講座サポートのpasteプログラムのダウンロードと同じです。
ここでは、c:\rpnディレクトリにobjファイルが保存してあるものとして説明します。DOSプロンプトを起動して、c:\rpnまで移動してください。以下のrpn式がバイオリズムプログラムの使い方です。
バイオリズムプログラムの使い方
先に誕生日を指定します。誕生日は8桁の数字(4桁の西暦+2桁の月+2桁の日)になります。以下のrpn式を実行すると身体、感情、知性の順に当日前後15日間のバイオリズム数値が出てきます。
-0.136167 -0.222521 0.281733
-0.398401 3.91614e-15 0.095056
-0.631088 0.222521 -0.095056
-0.81697 0.433884 -0.281733
-0.942261 0.62349 -0.458227
:
(中略)
:
-0.631088 -0.781831 0.971812
-0.81697 -0.62349 0.998867
-0.942261 -0.433884 0.989821
-0.997669 -0.222521 0.945001
-0.979084 -1.76452e-14 0.866025
上記の例では1990年1月1日生まれの人が、バイオリズム計算をした当日の前後15日間の数値になります。最初の-0.136167が身体のバイオリズム値で、次の-0.222521が感情の値、最後の0.281733が知性になります。結果は全部で30行あるのですが、先頭の5行と最後の5行に割愛してあります。
このまま数値の羅列ではイメージが湧かないので、グラフ化してみます。それぞれのカラムに番号を付与して、xypに渡してプロットします。
^ ++ + *** - ---
| + + * * -- -
| + + * -
| + + *-
| + +
|- * -*
| + + - *
| - * +
+------------------|-------------------+
|+ +- * +
| * - * - *
| - * + +
| * - - + * +
| - * - + +
| * - - - + + *
| ** * - --- ++ + ** *
文字で描かれているので多少歪んで醜いですが、まさしくバイオリズムのグラフですね。"*"が身体、"+"が感情、"-"が知性を示しています。x軸の"|"が当日で、それより向かって左が過去15日間(当日を含む)、右が未来の15日間です。
大統領就任演説時のバイオリズム
アメリカで初の黒人大統領になったオバマ氏の大統領就任演説時のバイオリズム数値はどうだったのでしょうか。割れんばかりの拍手で大成功、バイオリズムも絶好調のように思えます。
バラク・オバマの誕生日は1961年8月4日で、就任演説は2009年1月20日ですから、それぞれ値を設定してグラフを描いてみればバイオリズムが得られることになります。
DOSのdateコマンドで日付を演説当日に一旦変更してから実行しています。^ * * * - - - - + + + * * *
| * * - - - + + * *
|* - + - + *
| - + - + *
| + - +
| - * - *
| - * + +
| + - +
+----------------------------|----------------------------->
| - + 大統領就任 +
| - * 演説日 * -
| + * - +
|- + * - + * 身体
|+ + * - + + 感情
| + + * * - + - 知性
| + + + * * * - - - -
バイオリズムを見ると、演説に向けて次第に感情の調子が上向いていき、知性の調子も最高潮でした。逆に身体の調子は最悪の時期だったことが分かりますね。
何か大切な発表があるとか、絶対にものにしたい商談があるとか、占いではありませんが、何かに頼りたい気持ちがあることは確かです。そんな時、バイオリズムを確認して身体、感情、知性の調子を確かめておくと、少しは気休めになるかもしれません。
また、身体のバイオリズム値がマイナスになっているときには、風邪や環境の変化に対して丁寧にケアしてあげるなど、体の声に気付くきっかけになれば、それはそれでバイオリズム利用の意味はあるでしょう。
世の中には似非科学やオカルトに類する話がたくさんあります。その道の権威のお墨付きだから…。本に書いてあったから…。テレビで言っていたから…。と、そのまま鵜呑みにするのはきわめて危険です。バイオリズムによる産み分けなんてのもあります。本当なのやら嘘なのやら…。とにかく、バイオリズム自体の根拠が怪いのですから、バイオリズムを利用したサービスは眉唾ものとして解釈したほうがよさそうです。自分で実際に調べたり、計算したりして、自分なりに真偽を確かめる姿勢が大切ですね。
rpnプログラムを実行するには、rpn試用版かrpn標準版が必要です(バージョンの違いはこちら)。
rownumはカンタン分析パッケージに同梱されています。xypとnpdはrpn姉妹ソフトウェアです。詳しくはプロダクトを参照ください。