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熱中症対策は温度と湿度

 地球温暖化の影響なのかどうかわかりませんが、最近の夏はとても暑くなります。夏本番でもないのに25℃以上になったり、夏真っ盛りになると平気で30℃以上の日が続き、35℃以上にもなればあまりの暑さに具合が悪くなって病院に運ばれる人も出てきます。

そして、7月になると「今日は5日連続の真夏日です」とニュースで流れ始めます。一応、規定では一日の最高気温が25℃以上の日を夏日、30℃以上の日を真夏日と表現することになっています。以前は暑さの表現が真夏日までだったのですが、今では35℃以上の日が発生することが多く、そのような日は猛暑日と言われるようになりました。

ちなみに、最低気温が25度を下回らない夜が「熱帯夜」ですね。

熱中症の恐ろしさ

 真夏日や猛暑日が続くと必ずニュースになるのが熱中症です。散歩中に倒れて運ばれたが…。熱帯夜にクーラーを掛けずに寝た老人が…等々、不幸なニュースが流れます。

基本的に人は体温以上の気温では熱の発散がうまくできません。ましてや湿度が高くなれば汗による気化熱の放出も期待できません。つまり、気温が上がり、同時に湿度も高くなっていくと、体温調節が行なえなくなってしまうのです。つまり、熱中症です。

この熱中症(Hyperthermia)の症状は大きく分けると4つになります。

  • 熱失神
    • 血管の拡張から血圧低下が起こることによる脳血流の減少が原因。
    • めまい・失神など
  • 熱疲労
    • 水分補給しなかったことによる脱水が原因。
    • 脱水症状、脱力感、めまい、頭痛、吐き気。
  • 熱痙攣
    • 塩分補給を怠ったために血液の塩分濃度が低下したことが原因。
    • 四肢や腹筋など筋肉痙攣。
  • 熱射病(日射病)
    • 体温上昇による中枢異常が原因。
    • 意識障害(鈍い反応、おかしな言動、意識不明)。

熱失神や熱疲労は涼しい場所での水分補給で、熱痙攣も生理食塩水の補給で回復します。霧吹きなどで全身に水を軽く掛けることで気化熱によって冷やすのも効果的です。ただし、最後の熱射病(日射病)ですが、この症状が見られたら病院に行かないと生命の危険があるので緊急事態です。

大雑把な区分けは以上なのですが、素人判断は危険ですから、4つのうちのどの症状であっても、不安であれば迷わないですぐに病院に行ったほうがいいでしょう。

WBGT(指標)の計算

 熱中症は甘く見てはいけない恐ろしい症状なのですが、熱中症が起こってしまう条件を数値的に表現することができれば、発症前に予防が可能になります。そのための指標がWBGTです。

正確には湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)と言いますが、とても暑い環境で活動するときに伴う危険度を判定するための指標です。人の体温上昇に大きな影響のある代表的な気温、湿度、輻射熱の3つを使って指標化します。

気温は乾球温度で、湿度は湿球温度、輻射熱は黒球温度を計測することで以下の数式に当てはめて計算します。屋内か屋外かで少し計算式が違っています。

屋内の場合
WBGT = 0.7×湿球温度 + 0.3×黒球温度
屋外の場合
WBGT = 0.7×湿球温度 + 0.2×黒球温度 + 0.1×乾球温度

この計算式を使えばWBGTが出てきます。

WBGT
コメント
31以上
運動は原則中止
28~31
厳重警戒
25~28
警戒
21~25
注意
21以下
ほぼ安全

熱中症の死亡事故が起こる可能性があるのが21-25以上です。それ以下は大丈夫かと言えばそうではなく、過去にはほぼ安全とされる21以下でもマラソンで熱中症になったケースがあります。

WBGTと乾球温度との対比で予防

 ただし、ちょっとした問題があります。三つの乾球・湿球・黒球温度計ですが、湿球温度計はまだしも黒球温度計が一般家庭にあるのは希でしょう。3つの温度計を内蔵した機械で、簡単にWBTが表示されるものもありますが、いかんせん高価です。

一般家庭で簡単に測定できるのは乾球温度計(市販されている普通の温度計)くらいが関の山でしょう。そういった事情もあってかWBTと乾球温度との対比表を掲げているところもあります。

WBGT/乾球
運動指針
31(WBGT)35
運動は原則中止。気温のほうが高いので熱が逃げない。
28(WBGT)31
体温が上昇しやすい激しい運動やマラソン等は避ける。
25(WBGT)28
休憩を積極的に取って水分の補給をする。
21(WBGT)24
積極的に水分補給する。

この対応表によれば、35℃以上で運動するのは危険と言うことになりますし、30℃を超える気温になったら運動はセーブしながら行なわないと危ないということになります。

人の体温が35度から36度であることを考えれば、危険の境界線が35℃なのは容易に理解できますね。基本的には猛暑日にはスポーツを避けるのが安全です。もちろん、30℃以下でも湿度の状態や着用ウェアの状態によっても熱中症は起こるので注意は必要です。

温度(気温)と湿度から熱中症危険度を知る

 普通、暑さや過ごしやすさを知る手がかりとしては温度(気温)と湿度が一般的です。家庭にも温・湿度計なら常備していることが多いので、熱中症の危険度も温度(気温)と湿度で分かれば便利です。しかし、熱中症といえばWBGTばかりの情報が多いのが現状で、温・湿度からの計算式はあまりありません。

オフィスでの仕事や家庭での団欒、睡眠など、多くの時間を過ごすのは室内です。炎天下での活動が危険であることはすぐに想像できますが、意外に直射日光の当たっていない室内は熱中症への警戒が甘く、油断しやすいのではないでしょうか。

実際、輻射熱の影響をあまり考えなくてもよい室内に限定すれば、温度(気温)と湿度を使って熱中症の危険度を図ることができます。プログラムは少し複雑なので、rpnプログラムにまとめています。

熱中症プログラムのダウンロード

  • 熱中症プログラムのZIPファイルをダウンロードしてください。
  • ダウンロードしたZIPファイルをダブルクリックすると熱中症.objが表示されます。
  • 熱中症.objを格納したいフォルダにドラッグすると以下のダイアログが出てきます。
  • パスワードを入力してください。一致していれば、熱中症.objが解凍されます。
      ※heat.zipのダウンロードはこちら


  +-------------------------------------------------+
  |  パスワードの入力                                  |
  +-------------------------------------------------+
  |                                        +-----+  |
  |  ファイル'熱中症.obj'はパスワードで保護されて | OK  |  |
  |  います。 パスワードを入力してください。    +-----+  |
  |                                                 |
  |              +----------------------+  +-----+  |
  |  パスワード(P): |                      |  |キャンセル|  |
  |              +----------------------+  +-----+  |
  +-------------------------------------------------+


 ※パスワードは講座サポートpasteプログラムのダウンロードと同じです。

ここでは、c:\rpnディレクトリにobjファイルが保存してあるものとして説明します。DOSプロンプトを起動して、c:\rpnまで移動してください。以下のrpn式を入力すると熱中症の危険度を表示してくれます。使い方は温度(気温)(℃)と湿度(%)を指定するだけです。

  >rpn 34 55 -c 熱中症
  Level4/5 ⇒ 警戒(冷房・水分補給要)


プログラムは湿度20%以上90%以下、温度(気温)21℃以上40℃以下に対応しています。

左の数字が温度(気温)、右の数字が湿度です。この2つを指定すれば熱中症の危険度を5段階のレベルで示してくれます。以下がそのレベルです。

Level5/5
危険(退避・水分補給要)
Level4/5
警戒(冷房・水分補給要)
Level3/5
注意(温・湿度の警戒要)
Level2/5
留意(温・湿度の確認要)
Level1/5
安全

Level3までは直接、何らかの対応を取る必要はありませんが、Level4からは積極的に対策を取らなければなりません。例えば、Level4では冷房や風を通すなどの換気、積極的な水分補給が必要です。

Level5になると今いる環境から退避して、どこか風の当たるところか冷所で水分補給して、上がっている体温を下げるようにしなければなりません。つまり、Level4以上は熱中症になる可能性が高いと意識する必要があります。

ただし、あくまで室内での話しなので、屋外の場合はこのプログラムは使用できません。また、室内でも運動を伴ったりすれば熱中症の危険度は上昇しますので、Levelが低いからといって安心はできません。体調と相談しながら早めの対処が必要です。

警告熱中症プログラムの計算誤差もあるので、Level5でないから大丈夫と考えるのではなく、Level4での早めの熱中症対策の実施を強くお勧めします。

熱中症を防ぐには

 観測史上、地球上で最も暑かったのはサウジアラビアの81℃です。その他にはイラクの74℃、オーストラリアのクイーンズランドで53.1℃、アメリカのカリフォルニアで56.7℃、アフリカのリビアで57.7℃、スペインで50.0℃です。

日本に住んでいると50℃を超えた世界は想像もできませんが、日本でも高知県の四万十市で41.0℃を記録しています。40℃を超えるので、熱中症プログラムの許容範囲を超えてしまっています。そこで、気温を限度一杯の40℃にして熱中症の危険となる湿度を調べてみましょう。

  >rpn 40 21 -c 熱中症
  Level4/5 ⇒ 警戒(冷房・水分補給要)

  >rpn 40 22 -c 熱中症
  Level5/5 ⇒ 危険(退避・水分補給要)


実際は、湿度が20%のように低いことはないでしょうから、室内でこの気温だとしたら水分と塩分を取ってエアコンを動かさないと熱中症になる危険性が高いということですね。

ちなみに日本の真夏で締め切った車の中の温度は70℃です。長時間の滞在はとても危険です。
        *


 熱中症は暑くて汗が出続けることによる症状と、湿度が高くて発汗できずに体温が異常上昇する症状に分けられます。そこで、汗をかいたら適度に水分・ミネラルの補給なのですが、湿度はそう簡単に変えられません。日頃あまり見ない湿度に着目して、熱中症対策することが肝心なようです。

水分補給にはミネラルも摂取できる麦茶がベストです。逆に嗜好品のコーヒーは利尿作用が働くので余計に脱水症状になります。熱帯夜のアルコールも利尿作用が高いので要注意です。

いずれにしても、真夏日や猛暑日にはなるべく外に出ないことが一番です。どうしても外に出る人は水分と塩分の摂取を行ない、こまめに休息して体温上昇を避けることでしょう。室内にいる場合でも安心せず、気温と湿度を見ながら、エアコン等で室温を下げたり、換気等して風を通すことが必要ですね。

警告扇風機の風に当たっていれば安全ともいえません。大体の目安として32℃以上になったら、涼しい場所に避難するかエアコンを稼動させるなど行なうべきです

最後にですが、熱中症への注意が特に必要なのはお年寄りと乳幼児です。夏バテしたりして体力が落ちていたりすると熱中症に掛かりやすくなりますので、体力をつけておくことが基本になります。また、乳幼児はもともと低体重で体内の水分量が少ないので、脱水症状に陥らないようにしっかりと見守ってあげる必要があります。

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情報不快指数に関する記事が応用コーナー不快指数と体感温度にあります。興味のある方は閲覧ください。

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