放射能からのサバイバル(前編)
2011年3月11日。大地震と大津波に火災…。前日までの感覚からはあり得ないことが連続して発生し、破壊的な自然の力を見せ付けられました。さらに悪いことに電源喪失による福島第一原発のメルトダウンと爆発は日本の領土・領海に放射能汚染を引き起こしました。国家存亡の危機と言えます。
地震により送電線の鉄塔が倒壊したことで、福島第一原子力発電所は外部電源を失いました。地震から約50分後の津波で海側の地下に設置してあった非常用電源のディーゼル発電機が水没し、ディーゼル燃料もタンクごと流出。かろうじて浸水を免れていた3号機のディーゼル発電機も燃料切れで機能を停止。電源車による電源回復も失敗し、メルトダウンへと突き進みます。
メルトダウンは地震(3月11日14時46分)から5時間後に1号機で発生。3号機は79時間後(3月14日AM)に発生、2号機がそれに引き続き僅か1時間後に発生しています。爆発は3月12日PMに1号機、続いて14日AMに3号機が、そして15日早朝には2号機と4号機がほぼ同時に爆発しました。20日から21日には3号機で再爆発の疑いもあります。実際、同日の空間放射線量が急上昇しています。
※津波前に放射性キセノンが検出されており、地震直後から放射能漏れの可能性があります。
1号機と2号機は水素爆発で、3号機は爆轟現象を伴った核爆発(即発臨界)という説があります。実際、黒煙が上がったことや鉄骨が溶け落ちていたことが1,2号機の水蒸気爆発と異なります。少なくとも3号機の爆発ではキノコ雲が発生しており、急激な上昇気流の発生を確認できます。
メルトダウンの後も核燃料が圧力容器を突き抜けるメルトスルーや、格納容器外に出てしまうメルトアウトの可能性が指摘されており、地下水脈など環境への更なる汚染が懸念されます。その後のシミュレーションで、メルトスルーはほぼ確定。メルトアウトは未確定の状態です。
2015年3月、宇宙線(ミューオン素粒子)を使った透視調査により、1号機の全ての核燃料が圧力容器を突き抜けていること(メルトスルー確定)を東京電力が発表しました(メルトアウトに関しては未調査)。同年9月には2号機も核燃料の70%から100%が圧力容器突き抜けていることが分かりました。共に格納容器(厚さ約3cmの鋼鉄製)を突き抜けている可能性もあります。
ばら撒かれた放射性物質はプルーム(雲)となって風向き次第に日本を覆い、高レベル放射能に汚染されたホットスポットを生み出しています。当然、動物や植物も例外ではなく、放射性ヨウ素や放射性セシウムをはじめとする放射性核種(放射性物質)を取り込んだ生物濃縮が始まっています。
事故から2年後の解析で、3月12日の1号機ベントを開始する5時間前から10キロ圏内に通常の700倍を超える放射線量が確認されています(事故前が0.03μSv/hとすると21μSv/h超)。
3月11日PMから14日AMは東向きの風のため、放射性物質のほとんどが太平洋側(海)に向かいました(原発周辺は除く)。風向きが内陸向きに変わったのは14日PMからで、15日には大量の放射性物質が東北・関東に拡散しました。続く3月20日には再度、関東へ向かい雨とともに降下。その量は核実験時代を含めた過去50年間に関東圏に降り注いだ放射性物質の総量とほぼ同等です。
CTBT高崎観測所の測定結果でも15日と20日の午前7時から24時間の放射能濃度が圧倒的で、放射性セシウム濃度は核実験時代の3500倍、25年前のチェルノブイリ原発事故の84倍でした。
原発事故発生時、国が開発したSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム:100億円以上)は避難にまったく活かされませんでした。リアルタイムで放射性物質能の拡散をほぼ正確に予測していましたが、政府はその情報を国民にも自治体にも通知しませんでした。
2014年、事故発生から1ヶ月間における放射性物質の放出割合が判明しました。最初の4日間(12日から15日AM)は25%に過ぎず、続く2週間(15日PMから24日)で75%もあることが分かりました。
- 原子力発電所の耐震性 -
原発は苛酷事故の起きる発電設備です。そもそも日本の原発は震度6強に耐えることはできません。原子炉自体の耐震性も不安ですが、無数の配管に破断等の異常が発生しないと考えるのには無理があります。実際、福島原発地点の地盤は 2.5m東に移動、50cm沈下しています(4号機の建屋は79cm沈下)。果たしてそれほどの移動を伴う地震の揺れに耐えられるのか疑問です。
耐震性の尺度にガル(揺れの加速度単位)がありますが、福島第一原発の設計時想定ガルは270。柏崎刈羽原発でも想定は450ガル。地震への対策が最も進んでいる浜松原発5号機でさえ484ガルです。※1ガル=1㎝/sの加速度です。従って、自由落下では980ガルになります。
1995年の阪神大震災は800ガル、2004年の中越地震は2500ガルでした。2011年の東日本大震災で3000ガル。2008年の岩手・宮城内陸地震に至っては4000ガルを超えています。福島第一原発では震度7の449ガルが想定でしたが、3月11日には現地で507ガルを観測。ガル値は震源地からの距離や地形に左右されるため、まさにロシアンルーレットであることが分かります。
※震度6強の地震はガルに換算すると300~400とのことです(1923年の関東大震災に相当)。
- 原子力発電所の費用と安全性 -
原発の費用対効果が高いとするのは幻想です。アメリカでさえ、過去40年近く原発を作っていません。あのGEの会長が「アメリカでは経済的に合理性がない。つまり高すぎて作れない」と言明。ドイツのシーメンスも原発製造を止めています。日本だけが例外とは言えません。
そもそもメルトダウン対策のコアキャッチャーがない日本の原発安全基準が世界最高レベルとは言えないでしょう。安全性を十分に考慮した原発の製造は費用対効果をかなり低くします。安全対策を犠牲にして原発の経済性を謳っていた可能性が原発事故から透けて見えてきます。
日本の主な原子力関連事故は次のとおり(事故の詳細は割愛)。美浜発電所(1973)、原子力船むつ(1974)、福島第一発電所(1978,1989,1990)、美浜発電所(1991)、浜岡発電所(1991)、高速増殖炉もんじゅ(1995)、東海再処理施設(1997)、福島第一発電所(1998)、志賀発電所(1999)、JCO核燃料加工施設(1999)、美浜発電所(2004)、柏崎刈羽発電所(2007)、福島第一発電所(2010)、そして福島原発メルトダウン(2011)。日本最初の原子力発電から16件、3年に1度の割合です。
- 世界の原子力発電所の数 -
稼動している原発の保有国は世界で27ヶ国です(計画を含めると41ヶ国に及ぶ)。アメリカがトップで日本の2倍。原発大国といわれるフランスは日本とほぼ同じ数で3位。続いてロシア、韓国と続きます。世界で稼動している原発(400基以上)の約6割を上位5ヶ国が占めます。なお、世界の陸地の0.26%しかない日本の原発は54基。面積当たりの原発数ならトップレベルです。
日本では福島第一原発事故以来、原発停止(定期点検など)が続き、2013年9月には稼動している原発がゼロになりました。原発ゼロでも電力不足は起こっておらず、原発=電力確保の公式はすでに崩れていますが、エネルギーミックスの観点から再稼動は着々と進んでいるようです。
放射能に関する用語は難解
原発事故に関するニュースには、たくさんの用語や単位が飛び交います。ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、ウラン、プルトニウム、コバルト、アメリシウム…。被曝比較としてレントゲン、CTスキャン。外部被曝に内部被曝。単位もシーベルトにグレイ、ベクレル。ミリやマイクロ、キロ、兆、京、垓。一体何に注目すればいいのでしょうか。
正確に全てを知ろうとすると大変ですが、キーとなる用語の意味と使い方を知ればかなり見通しが付きます。実際、用語の中のベクレルとシーベルトの見方が分かればほとんどOKです。これだけで、どれくらい危険かが大体把握できます。
まず最初にミリとマイクロについて簡単におさらいです。
ミリとマイクロの関係を知れば簡単
ミリは1000分の1のことで、マイクロは100万分の1のことです。ミリはmでマイクロはμで表します。1000マイクロは1ミリです(1000μは1m)。1ミリを1000分の1にすると1マイクロになります(1m÷1000は1μ)。
500マイクロ(500μ)は0.5ミリ(0.5m)と同じです。つまり、500マイクロシーベルト(500μSv)は0.5ミリシーベルト(0.5mSv)と同じです。
500μSvを500uSvとするものもあります。アルファベットのuを便宜的にμに見立てています。また、アルファベット2文字で500mcSvとするものもあります。本ウェブではμを使用します。
昔はシーベルトではなくレム(rem)を使用していました(1rem≒10mSv)。また、グレイ(Gr)は単位質量あたりに放射線から受けるエネルギー量で1Gyは1J/kgに相当します(1Gy/h≒1Sv/h)。
ベクレルとシーベルトの定義
次に重要なキーワードであるベクレルとシーベルトの簡単な理解です。
ベクレル(㏃) |
放射能の量を表す単位で、1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を出すのが1Bqです(放射性物質によって放射線の本数は異なる)。
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シーベルト(㏜) |
放射線の体への影響を考えた値で、細胞の核1つ1つに放射線が1年で約1回当たる量が1mSvです(体には約60兆個の細胞がある(20兆は赤血球))。
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ベクレルは㏃またはBq、シーベルトは㏜またはSvで表します。本ウェブではBqとSvを使用。
ベクレルは放射性物質から放射線が出てくる潜在的なパワーで(日常的な感覚では汚染度に近い)、シーベルトは人体への影響度を表すと考えると分かりやすいでしょう。ベクレルとシーベルトを使いこなせば危険度が分かるようになります。もう少し具体的な数字を見てみましょう。
ベクレル(Bq)の基準値
まず最初に飲料水や食べ物、汚染された物体などに含まれる放射能の量はベクレルで表現されます。1キログラム中に何ベクレルあるかを示すのですが、ベクレル数が多ければ多いほど危険度が増します。ただし、国によって摂取してよいとされる安全基準が異なります。
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アメリカの法令 0.1Bq/kg ドイツ放射線防護学会 8Bq/kg
ドイツガス水道協会 0.5Bq/kg (子供) 4Bq/kg
WHO基準 1Bq/kg WHO基準 10Bq/kg
ウクライナ 2Bq/kg ベラルーシ(子供) 37Bq/kg
ベラルーシ 10Bq/kg ウクライナ 40Bq/kg
日本(乳児) 100Bq/kg ベラルーシ 100Bq/kg
日本 200Bq/kg アメリカ 170Bq/kg
日本 500Bq/kg
※主に放射性セシウムの基準 ※液体1ℓ(リットル)=1kg
現在、日本は暫定基準値として飲料に200Bq/kg、食物に500Bq/kgを採用していますが、以前は飲料が10Bq/kgで食物は370Bq/kg(輸入制限)が基準値でした。食物で1.35倍、飲料にいたっては20倍もの基準緩和になっています。もともと、日本の農産物には0.5Bq/kgもなかったのですから大変な世界になってしまったものです。
厚生労働省は事故から9ヶ月経ってようやく暫定基準値の見直し方針を決定。2012年4月には一般食品(米含む)が100Bq/kg、牛乳・乳幼児食品が50Bq/kg、飲料水で10Bq/kgが適用されました。本来3ヶ月間しか認められていない暫定基準値500Bq/kgを1年間継続したことになります。
現在でも100Bq/kgに汚染された放射性物質は黄色いドラム缶に入れて管理することが法令で定められており、違反すると処罰対象です。食品のベクレル数とダブルスタンダード状態です。
厚労省の資料によると放射能に汚染された農作物・魚介類の規制対象は半減期1年以上の放射性核種全体とし、半減期が1年以下の核種については除外されています。従って半減期の短い放射性ヨウ素に基準値はありません。現状、20種類もの放射性物質が規制対象外になっています。
また放射能の感受性は年齢によって大きく異なり、大人を1とすると幼児で10倍、妊娠後期の胎児から乳児で100倍と言われています。特に妊娠初期の胎児は影響が大きく、1000倍超とのことで最悪、流産も考えられます。また、性差によっても違いが見られ、子供の女子は男子に比べて2倍です。
乳児の3Bq/kgは大人の300Bq/kgに等しいということです。
2013年10月時点で福島県庁の食堂は1Bq/kgが検出限界値なのに対し、福島県の小学校は10Bq/kgです。子供への放射能の感受性を考えれば、限界値は少なくとも逆であるべきなのですが…。
シーベルト(Sv)の基準値と参考値
次に人への危険度を示すシーベルトですが、自然放射線量や医療行為の放射線量、そして放射能に関する事故や原爆等で記録されたシーベルト数と比較することで、目に見えない放射能の危険性をイメージできます(Sv値は報道された時点での値)。
一度に大量の放射線を浴びると急性障害(確定的影響)が発生します。一方、少量・長期間被曝の場合は晩発性障害(確率的影響)が発生します。一般に1000mSv以上が確定的影響の範囲です。
年あたりのミリシーベルト(mSv/y)や時間当たりのマイクロシーベルト(μSv/h)で表します。シーベルト 放射線の被曝例 (*は戦争・実験・事故等の事象 ※医療は1回照射)
※表記に時間の単位がないものは毎時(/h)と考えて下さい。
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435,000mSv *原爆投下[広島ウラン型原爆] 爆心地100m(即死) ※推定値
(1.0kmで6820mSv、1.5kmで618mSv、2.0kmで80mSv、2.5kmで13mSv)
433,000mSv *原発事故[福島第一] 1号機格納容器
112,000mSv *原発事故[チェルノブイリ] 原子炉隣の建屋屋上
93,300mSv *原発事故[チェルノブイリ] 象の足
72,900mSv *原発事故[福島第一] 2号機格納容器
70,000mSv *原発事故[チェルノブイリ] 原子炉隣の建屋屋上の瓦礫
32,600mSv *原発事故[チェルノブイリ] 原子炉上空(致死量の9倍)
25,000mSV *原発事故[福島第一] 1,2号機排気筒の下部
19,400mSv *原発事故[チェルノブイリ] 発電所付近(15分で死亡)
16,000mSv *被曝事故[東海村JCO] 推定16~20Sv(死亡)
10,300mSv *原発事故[福島第一] 1号機建屋地下(汚染水面)
10,000mSv 使用済核燃料(表面線量1億mSvとの記載もあり※0.25秒で死亡)
9,700mSv *原発事故[福島第一] 1号機建1階(ロボット調査:最大は25Sv)
7,000mSv 全身被曝(全員死亡)
6,000mSv *被曝事故[東海村JCO] 推定6~10Sv(死亡)
5,000mSv *被曝事故[ゴイアニア被曝] 推定5~6Sv(死亡)
5,000mSv *原発事故[福島第一] 1号機建屋内2F
4,000mSv 全身被曝(半数死亡)
3,000mSv *水爆実験[マーシャル諸島(ビキニ環礁)] 第五福竜丸
2,170mSv *原発事故[福島第一] 3号機建5階中央部(クレーンで測定)
2,100mSv *原発事故[福島第一] 1号機建1階パーソナルエアロック室
2,000mSv *原発事故[福島第一] 原子炉燃料冷却後の汚染水(表面線量)
1,900mSv *水爆実験[マーシャル諸島(ビキニ環礁)] ロンゲラップ島民
1,800mSv *原発事故[福島第一] 冷却に使用した汚染水のタンク漏れ
1,800mSv *原発事故[福島第一] 1号機ベント管下部周辺(0.9~1.8Sv/h)
1,600mSv *原発事故[福島第一] 3号機建屋内1F
1,500mSv *被曝事故[世田谷一軒家] ラジウム瓶(92歳健康) ※50年累積
1,000mSv *原発事故[福島第一] 2号機タービン建屋地下の水表面(1Sv以上)
1,000mSv *被曝事故[台湾民生アパート](年間)(甲状腺癌) ※114μSv/h
1,000mSv 全身被曝(悪心、嘔吐)
880mSv *原発事故[福島第一] 2号機5階(オペレーションフロア)
540mSv *原発事故[福島第一] 3号機原子炉建屋上部瓦礫
500mSv 全身被曝(リンパ球減少)
500mSv *原発事故[福島第一] 2号機5階(使用済み燃料プール周り)
400mSv *原発事故[福島第一] 3号機付近
350mSv 人形峠の天然ウラン含有土砂(年間) ※40μSv/h
200mSv 全身被曝(臨床症状の発生(急性放射線症))
100mSv *原発事故[福島第一] 福島県双葉郡浪江町(9ヶ月間)*1
100mSv *原発事故[福島第一] 東京消防庁によるホース接続
100mSv 低線量被曝の上限(職業被曝(5年間累計)) ※癌死亡率(0.5%)
88mSv *原発事故[福島第一] 3号機上空(高度90メートル)
82mSv *被曝事故[ロシアの汚染紙幣の表面](5万ルーブル) ※年金受給時
67mSv *原発事故[チェルノブイリ] プリピャチ(5km)(4日で死亡レベル)
50mSv *被曝事故[浜岡原発] 労災認定(白血病死) ※5mSv(年間)
40mSv マンモグラフィー ※医療被曝
37mSv *原発事故[福島第一] 原発作業員(4ヶ月間)*2
22mSv CTスキャン(18mSv~36mSv) ※医療被曝
20mSv *原爆投下[広島ウラン型原爆] 黒い雨(10~30mSv) ※推定値
20mSv 緊急時の被曝基準(年間) ※癌発生率(0.1%~0.8%)
15mSv 胃のバリウム検査 ※医療被曝
14mSv *原発事故[福島第一] 一般住民(4ヶ月間)*2
12mSv *原発事故[福島第一] 原発の正門前
10mSv ブラジルガラパリの自然放射線(年間) ※1.14μSv/h
5.2mSv 放射線管理区域(外部+内部被曝)(18歳以下(年間)) ※0.6μSv/h
5.0mSv チェルノブイリの強制移住区域(年間) ※0.57μSv/h
3.0mSv チェルノブイリの立入禁止区域(18歳以下(年間)) ※0.34μSv/h
2.5mSv 未使用核燃料の表面線量(2~3mSv/h)
2.4mSv 世界平均一人当たりの自然放射線(年間) ※0.27μSv/h
1.0mSv 一般公衆の線量限度(医療は除く)(年間) ※0.11μSv/h
0.50mSv 国際宇宙ステーション(1日) ※21μSv/h
0.45mSv *原発事故[福島第一] 郡山市(月間) 平均120μSv*3
0.30mSv *原発事故[福島第一] 4号機プール周辺 ※300μSv/h
0.19mSv 東京ニューヨーク間の航空機旅行(往復) ※7.31μSv/h
0.09mSv *原発事故[福島第一] 4号機プール作業台の上 ※90μSv/h
0.06mSv 胸のX線(照射0.1秒として2.16mSv/h) ※医療被曝
0.02mSv *原発事故[チェルノブイリ] キエフ(130km) ※20μSv/h
0.009mSv 三井化学大竹工場の劣化ウラン貯蔵倉庫周辺 ※9.31μSv/h
0.007mSv *原発事故[チェルノブイリ] 石棺前(事故25年後) ※7μSv/h
0.0015mSv 三菱マテリアル総合研究所敷地内の土壌 ※1.45μSv/h
0.0007mSv*原発事故[チェルノブイリ] プリピャチ(25年後) ※0.7μSv/h
*1 浪江町赤宇木手七郎での9ヶ月積算(3~12月)。 福島原発から北西に31kmの地点。
*2 飯舘村など3町村での事故後4ヶ月の積算。大多数は5mSv以下。10mSv以上が10人。
*3 2011年10月に小中学生で測定された値。最大450μSvの場合、0.63μSv/hに相当。
2012年5月時点で原発事故対策の拠点であるJビレッジ周辺の空間線量は1μSv/h。福島第一原発正門前は10μSv/h。最前線の免震重要棟周辺で40μSv/h、免震重要棟内部で0.5~2μSv/h。2号機から3号機のタービン建屋裏の海側を走行するバスの中では、1500μSv/hを計測しています。
福島第一原発事故当時からの測定値
シーベルト(Sv) 福島第一原発事故当時の福島県内における主な測定値(時系列)============================================================================
386μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(3km) 3月12日AM ※ 3.4Sv(年間)
15μSv/h *原発事故[福島第一] 浪江町(20km) 3月12日AM ※131mSv(年間)
4600μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(5km) 3月12日PM ※40.3Sv(年間)
20μSv/h *原発事故[福島第一] 南相馬市(25km)3月12日PM ※175mSv(年間)
1590μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(6km) 3月12日PM ※13.9Sv(年間)
1300μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(4km) 3月13日AM ※11.4Sv(年間)
103μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(2km) 3月13日~14日※902mSv(年間)
800μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(5km) 3月14日PM ※ 7.0Sv(年間)
3130μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(3km) 3月14日PM ※27.4Sv(年間)
390μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(4km) 3月15日AM ※ 3.4Sv(年間)
11930μSv/h *原発事故[福島第一] 双葉町(3km) 3月15日AM ※ 104Sv(年間)
45μSv/h *原発事故[福島第一] 飯舘村(40km) 3月15日AM*1 ※394mSv(年間)
24μSv/h *原発事故[福島第一] 福島市(60km) 3月15日PM ※210mSv(年間)
24μSv/h *原発事故[福島第一] いわき市(40km)3月15日PM ※210mSv(年間)
330μSv/h *原発事故[福島第一] 浪江町(20km) 3月15日PM ※ 2.9Sv(年間)
95μSv/h *原発事故[福島第一] 飯舘村(40km) 3月17日PM ※832mSv(年間)
80μSv/h *原発事故[福島第一] 浪江町(27km) 3月28日 ※700mSv(年間)
30μSv/h *原発事故[福島第一] 飯舘村(40km) 3月29日 ※263mSv(年間)
15μSv/h *原発事故[福島第一] 浪江町(20km) 4月 ※131mSv(年間)
2.7μSv/h *原発事故[福島第一] 福島市(60km) 4月1日 ※ 24mSv(年間)
152μSv/h *原発事故[福島第一] 福島市(60km) 6月(ホットスポット)※1.33Sv(年間)
104μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(3km) 9月*2 ※911mSv(年間)
1μSv/h *原発事故[福島第一] 福島市(60km) 9月1日 ※ 9mSv(年間)
120μSv/h *原発事故[福島第一] 郡山市(50km) 10月(ホットスポット)※1.05Sv(年間)
320μSv/h *原発事故[福島第一] 浪江町(20km) 11月(ホットスポット)※2.80Sv(年間)
104μSv/h *原発事故[福島第一] 福島市(60km) 12月(ホットスポット)※911mSv(年間)
3.5μSv/h *原発事故[福島第一] 飯舘村(40km) 1月*3 ※ 30mSv(年間)
200μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(3km) 2月(林の中) ※1.75Sv(年間)
12μSv/h *原発事故[福島第一] 大熊町(3km) 3月 ※105mSv(年間)
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200μSv/h *原発事故[福島第一] 茨城(108km) 3月12日*4 ※1.75Sv(年間)
0.8~2μSv/h *原発事故[福島第一] 東京(220km) 3月15日AM ※東京都の
0.1μSv/h *原発事故[福島第一] 東京(220km) 3月21日PM 事故前平均
0.4μSv/h *原発事故[福島第一] 東京江戸川区 3月22日AM 0.036μSv/h
*1 45μSv/hは公式の発表。独自に測定したジャーナリストは100μSv/h超過を確認。
*2 原発から西3kmの最大値。大熊町の殆どが10μSv/h超、一部で50μSv/h超を観測。
*3 原発事故の翌年1月下旬。村内のガソリンスタンド地表における測定値(除染後)。
*4 モニタリングポスト(茨城県常陸太田市真弓)での目視情報。 記録データは欠測。
次は…
放射能関連のニュースを読み解くのに必要な知識と過去の放射能に関する事故を示してきました。
地震大国でもある日本の平地は僅かに25%。その平地に大多数の国民が住み、54基の原発が存在しています。そのうち3つの原発が爆発し、放射性物質を撒き散らしました。放射性物質はプルームとなって主に東日本を襲い、放射能への備えのない国民を程度の差こそあれ、初期被曝させました。
太平洋プレートとフィリピン海プレート、ユーラシアプレートがひしめきあう日本は、世界でも有数の地震大国です。事実、世界で発生したマグニチュード6以上の地震のうち、20%が日本で発生しています。そんな日本に54基の原発がある現実を認識する必要があります。
放射能は目に見えず匂いもないので、危機感が薄くなりがちです。空間線量の値(シーベルト数)を覚えることで、日常に潜む危機を感じ取ることができます。でも、安全なシーベルト数ってあるのでしょうか。ホットスポットの危険性も指摘される中、年間何シーベルトまでなら許容できるのでしょうか。
土壌汚染も深刻です。降り注いだ放射性物質は木々や大地、建物に降り注ぎます。落ちた放射性物質からも放射線は出てくるので、空間線量を確認することで土壌の汚染度をある程度推し量ることができます。
比較の対象として、チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日発生)を挙げますが、その土壌はどれくらい汚染されたのでしょうか。危険でない土壌の汚染度は?空間線量は?避難する目安は?など知っておきたいことばかりです。
rpnプログラムを実行するには、rpn試用版かrpn標準版が必要です(バージョンの違いはこちら)。
福島第一原発事故に関する覚書的な記事(2011年3月からの約3年間)です。過去に発生した放射能事故や事象との比較・検討も試みていますが、文章や数式の利用により健康的、その他損害を受けたとしても保証できません。また、記事内容が全て正しいという確証もありません。あくまでも解釈は自己責任でお願い致します。