関数を使って計算しよう
小学の算数を終えて、中学・高校の数学になった時、引っかかるのが”関数”ですよね。なかにはすぐに理解した人もいるのでしょうが、関数は難物でした。f(x)=って出てきただけで拒否反応って人も多いのではないでしょうか。二次曲線、sin(x)、log(x)…。思い出したくありませんね。
そんな関数の定義や種類を追いかけるよりも、rpnで何ができるかを考えましょう。まず、rpnで使える関数はrpn -?で表示されます(rpn標準版)。これらの関数がrpnに事前に組み込まれていますが、その中の階乗(かいじょう)という関数(正確にはrpnでは演算子扱い)を取り上げてみます。
数字を掛けて、掛けて、掛けて…
「1から5まで足すといくつ?」には答えられても「1から5まで掛けるといくつ?」に即答できる人はそういないでしょう。じゃあ、「1から10まで掛けると…」。即答は無理ですよね。
そこで、rpnで計算してみましょう。まず、1から5まで掛けるといくつになるでしょうか(1に2を掛けたものに3を掛けて、それに4を掛けて、5を掛けて)。
120
120ですね。結構、大きくなります。次は、1から10まで掛けるといくつでしょうか。
3.6288e+06
3.6288e+06という見慣れない数字が出てきましたが、想像されるように1から10まで掛けるととても大きな数字になるために、rpnが省略表示しています。この数字は、3.6288×10の6乗という数で、3628800のことです。
3.6288e+06 = 3.6288 × 10
この数字の表現方法は分かりにくいように思いますが、とても大きな数やとても小さな数を表現するには便利な書き方です。初めは躊躇しますが、すぐに慣れるので大丈夫です。
rpnが扱う数値の表現方法はrpn入門(中級編)の表示形式に詳しくあります。
では、1から50まで掛けるといくつになるでしょうか。今までと同じようにとにかく数式を打っていけば…。
…あきらめました。面倒すぎます。それに数字の打ち間違いもしてしまいそうです。何かもっと楽な方法がないものでしょうか。そこで、関数の”階乗”の登場です。この階乗という関数は1から指定された数字までを掛けて答えを返してくれる関数です。イメージにするとこんな感じです。
| 5 | 階乗関数に与える数字
+---+
↓
+------+
| 階乗 | 階乗関数
| 関数 | (1~与えられた数字までを掛ける)
+------+
↓
+---+
|120| 階乗関数から返る数字
+---+
※5を与えると120が返る
rpnの階乗関数はシンプルでカンタン
ここまでで、階乗関数の仕組みは分かりましたが、rpnで階乗を計算するにはどうするのでしょうか。"*"や"/"のように何か記号でも使うのでしょうか。答えはびっくりマークです。rpnで階乗を計算するには"!"を使います。それでは、1から50までを掛けるといくつになるか計算してみましょう。
3.04141e+64
答えが出ました。たった、数文字を打っただけでアッという間です。面倒さも打ち間違いもありません。
そして、この数字ですが、3.04141e+64ですから約3×10の64乗です。宇宙の年齢が約150億年なので1.5e+10。日本のGDPは約500兆円で5e+14です。想像できない大きな数ですね。
コーヒータイム(ちょっと休憩…)
どうですか?逆ポーランドの基本から四則演算、関数と進んできましたが、理解できましたでしょうか。このまま、逆ポーランド電卓rpnの説明を読み進めてもよいのですが、rpnをはじめて知った人や不慣れな人は、一旦ここで休憩してウェブサイトを散策してみるのも面白いでしょう。
- rpnを活用している様子を知りたい人
- rpnを実務に利用したいという人
- オンライン講座コーナーへどうぞ。電卓ソフトを使った本格的で実践的な講座を受講することができます。rpnの使い方を熟知していなくても問題ありません。
- rpnを詳しく知りたい人
- 引き続き、次に進んでください。分からないことが出てきたらrpn入門を参考にするといいでしょう。
すぐに役立つオンライン講座の紹介もオススメです。息抜きに右サイドバーにある姉妹サイト「電卓ソフトで学ぶオンライン講座」に寄り道してみてはどうでしょう(別ウィンドウで開きます)。お金に関する講座、データ分析やビジネス統計、株式投資(システムトレード)、その他各種オンライン講座の概要が分かりやすく解説してあります。
次は…
さて、これまでは四則演算子や関数を使って計算してきました。でも、合計や平均を求めるにはどうすればいいでしょう。rpn -?でも表示されてなかったけど…。大丈夫、プログラムを利用すればカンタンです。
rpn本来の計算スタイルを楽しむには、次の「プログラムで計算しよう」と「データを転がして計算しよう」を理解することが欠かせません。それにはDOSの操作を覚えることが大切です。DOSを学ぶための最短コースがdos入門にあるので、ぜひ学んでみてください。記事中の手順どおり実際にDOSを操作すれば、すぐに使いこなるようになるでしょう。その後に本コーナーの残りの章を読めば、新しい計算スタイルの世界が開けているはずです。