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インフルエンザの予防法

 2009年が始まってすぐに発見された新型インフルエンザは、人間(スペイン風邪)、豚、鳥の遺伝子が混じっている風変わりなものですが、感染すると若年層の患者を死に至らしめる可能性がある危険なインフルエンザです。おまけに、今までは冬場の流行に限定できたものが、今では夏場でも冬場と同じくらいの感染力で広がっています。

インフルエンザは風邪の一種なのですが、発熱時に体温が異常に高くなる(38度から39度以上)ことが特徴です。大人であれば体力もあるのでよほどのことがない限り大丈夫なのですが、幼児の場合は急激な体温変化に脳が耐えられずに呼吸停止や熱による癲癇症状が起こることがあります。

元来、インフルエンザ・ウィルスは低温、乾燥を好むことが分かっており、湿度を上げることでウィルス感染を防げると言われています。つまり、高温多湿の状態はウィルスにとっては嬉しくない環境になるわけです。

そこで、どれくらいの湿度を保っておけばよいのかが問題になるのですが、どうやら湿度よりは空気中の水分量(一立方メートル中に何グラムの水分が含まれているか)のほうが、感染防止の重要な鍵になるようです。つまり、空気中の水分量とウィルス数には逆相関があるということです(水分量が増えるとウィルス数は減っていく)。

ウィルスが生存困難な水分量

 具体的には、11g/㎥(一立方メートル中に11グラム)以上、水分量があるとウィルスは増殖できずにいずれ死滅していくという研究結果があります。より正確な表現をすると、この11g/㎥は空気中に存在するウィルスが6時間後に5%しか生存できない条件です。この条件であればインフルエンザが流行(感染)しにくいことになります。

ウィルスは冬場などで条件が整えば24時間でも生存し続けます。身の回りの小物や衣服に付着したウイルスでも8~12時間生きていることもあります。従って、なるべくウィルスが生存しにくい状況を作っておくことが鍵となるわけです。

外出する場合は別ですが、自宅などの室内であれば温度と湿度をある程度はコントロールすることができます。温度と湿度をうまく調整して水分量を11g/㎥以上にしておくことが大切です。

飽和水蒸気量ってなに

 水分量を11g/㎥にするためにはどうすればいいのでしょうか。実は空気中に含むことのできる水分量は温度によって限界があります。このことを飽和水蒸気量というのですが、温度が高ければ高いほど空気中に含む水分量は大きくなります。逆に温度が低ければ水分量も少なくなります。

よく冬場になるとガラス面に結露が起こりますが、これはガラス表面の温度に比べて空気中の水分量が多すぎたときに起こります。室内はストーブや電熱器で温度を高めてあるので空気中に含まれる水分もそれなりに多いのですが、その空気が冷えたガラス面に触れると温度が下がってきます。ガラス面の低い温度ではそれだけの水分を空気中に含むことができなくなります。

つまり、ガラス面に接した空気は飽和水蒸気量よりも多くの水分を含んでいたので、それがあふれ出てきて水滴として結露になるというわけです。

一般に言われる湿度(%)は、飽和水蒸気量に対する現在の空気中の水分量を表しています。

            現在の水分量
  湿度% = ------------
            飽和水蒸気量


そうすると、温度に対応した飽和水蒸気量を求めることができれば、それが11g/㎥に対してどのくらいの割合かを求めればウィルスを防御するのに必要な湿度を求めることができますね。

飽和水蒸気量を求めよう

 それでは飽和水蒸気量を求めていきましょう。いくつか段階を経るのですが、まずはテーテンス(Tetens(1930))の実験式です。これは水蒸気圧を求める近似式で以下の数式になります。

                  7.5t
               ---------
               t + 237.3
  e = 6.11 * 10


ここで、tは温度(℃)、eは気圧(hPa)です。気圧を求めたら次は飽和水蒸気量を求めます。これが一立方メートル中に存在できる限界の水分量(g)になります。

                e
  a = 217 * ----------
            t + 273.15


こららの式を一つにまとめると、次の数式になりますね。

                                   7.5t
                                ---------
                                t + 237.3
                       6.11 * 10 
  飽和水蒸気量 = 217 * -------------------
                            t + 273.15


この数式をrpnプログラムで書いてみましょう。

この湿度でウィルス撃退

 rpnプログラムの仕様ですが、温度を指定するとウィルスが生存しづらくなる湿度を計算してくれるものとしましょう。

プログラムは次のとおりです。複雑なものではないので、一行プログラムになります。コピーしてrpnファイルにしてください。ここでは、ファイル名を"virus.rpn"とします。

 【ウィルス撃退湿度のrpnプログラム(virus.rpn)】
  ===(この行の1行下からコピー)===
  #t 6.11 10 7.5 @t * @t 237.3 + / p * @t 273.15 + / 217 * 11 x / 100 *
  ===(この行の1行上までコピー)===


プログラムの使い方は簡単です。温度(℃)を指定してrpnファイルの"virus.rpn"を読み込むだけです。例として、室温が20℃の時に湿度が何%あればウィルスが生存しづらくなるか計算してみましょう。DOSプロンプトを起動してから、以下のrpn式を入力してください。

  >rpn 20 <virus.rpn
  63.5338


または、

  >type virus.rpn | rpn 20
  63.5338


すぐに答えが出てきました。63%以上でウィルスには過酷な環境になっていきます。これより低い室内の場合は加湿が必要です。ちなみに室温が18℃だと以下の計算です。

  >rpn 18 <virus.rpn
  71.4857


71%も湿度が必要です。結構、湿っぽくなるしカビとかも心配です。どうも快適な住環境で同時にウィルスの死滅を考えるなら室温を高めておくほうが簡単そうです。

ちなみに、冷暖房の推奨温度は28℃と20℃ですが、同じように計算するとインフルエンザ対応の温度・湿度は以下になります。

夏場
推奨温度が28℃で湿度が40%(扇風機併用なら28℃でも体感温度は低い)。
冬場
推奨温度が20℃で湿度が65%(実用性を考えると冬は21℃、60%が妥当)。

情報温度と湿度に関する記事が不快指数と体感温度にあります。参考にしてください。

新型インフルエンザは今までの季節性インフルエンザとは異なって、夏場でも勢いが衰えませんから、覚えておきたい数値の組み合わせです。

rpnプログラムで使用した数式は実験によって求められたものです。極端な温度では誤差が発生します。実際、高温の100℃では1%程度の誤差なのですが、0℃以下の低温では10%、20%と誤差が激しくなっていきます。

最後になりますが、ウィルスを生存させないために必要な湿度が100%を超える温度は何℃でしょう。

  >rpn 12 <virus.rpn
  103.028


12℃くらいで100%を超える湿度が必要です。つまり、13℃以上ないとウィルス対策の湿度管理はできないということになりますね。

冷えは万病のもと

 ウィルス感染して症状が出始めるには、それなりのウィルス量が体内に取り込まれることが必要ですが、その量はおおよそ100万個程度だそうです。咳一つでウィルス数千個とか、くしゃみ一つで数万とか数百万個が飛散するそうなので、最低限でもマスクをして直接の飛沫を受けないようにしたほうがいいですね。

また、冷えは万病のもとと昔からの言い伝えがあります。実際、体が冷えると繊毛の動きが低下し、体に不易なウィルスを咳や痰で排出するより先に粘膜細胞に取り込まれてしまいます。

とにかく、湿度を保った部屋で身体を暖かくして過ごし、たっぷりの睡眠で免疫を丈夫にしておくことが大切です。

外出の多い人は湿度管理が期待できないので、体を冷やさないようにするしかありません。日頃から衛生・栄養・睡眠・運動・日光浴を心がけていれば、そう病気にはならないはずです。

インフルエンザに罹ったら

 ヨーロッパやアメリカではインフルエンザに罹ったからといって必ずしも医者に行くわけではなく、そのまま自宅で治すそうです。あくまで、インフルエンザは風邪の一種だという認識です。それに比べて、日本はインフルエンザの予防接種まで行ないます。

情報インフルエンザの季節になるとワクチンによる予防接種が行なわれています。ただし、その効果に疑問を提示している人達もいます。詳しくは、物語コーナーojt物語ワクチン予防接種の是非がありますので、興味のある人は閲覧ください。

実際、タミフルやリレンザは抗インフルエンザ薬の位置づけなのですが、予防や対策にはならないとする意見もあります。インフルエンザの変異時間とワクチン生成に掛かる時間、副作用(最悪の場合は死亡)を考えると確かに疑問が残ります。

最近は抗インフルエンザ薬としてイナビル、ラピアクタがスピード認可されました。ただし、ラピアクタに関する論文では解熱までの時間が2割くらい早くなる程度とのこと。服用は副作用とのトレードオフなのですが、詳しくは各自で調べてみるといいでしょう。
高熱が特徴のインフルエンザウィルスですが、アデノウィルスはもっと高熱が出ますし、対処薬がありません。
ちなみにタミフルなどの備蓄量は、海外から緊急輸入していたときですら、日本が世界一でした。なんと製造国よりも圧倒的に多かったのです。その背景に考えを巡らすことが必要かも。

インフルエンザに罹ってしまったときのことを考えて、事前に治療方針について家族と話し合っておくことが肝要ですね。

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情報体を暖めるには適切な食事と運動が大切ですが、まずは本人の基礎代謝量を知っておくことが肝要です。基礎代謝は身長と体重、生活様式などから計算することができます。詳しくは応用コーナー基礎代謝とダイエットにあります。興味のある方は閲覧ください。また、適正な体重に関してはBMIでわかる適正体重に詳しくあります。参考にしてください。

警告rpnプログラムを実行するには、rpn試用版かrpn標準版が必要です(バージョンの違いはこちら)。

警告記事の内容はあくまでも個人的な見解によるものです。プログラムや手法、考え方を利用したことにより生じたいかなる損害についても、一切の責任を負えませんので、あらかじめご了承ください。

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