BMIでわかる適正体重
誰しも健康に毎日を過ごし、病気には罹りたくないものです。特に生活習慣病は原因も複雑で、薬に頼っても余計に拗らせたりと治るのに時間がかかります。
病気になりやすいかどうかは、遺伝や生活環境などの影響から一概には判断できませんが、体型に気をつけることによって未然に病気を防ぐことはできそうです。痩せ過ぎは問題としても基本的に太っている方が病気に罹りやすいのです。その体型を表す便利な指標にBMIというものがあります。
BMIはボディマス指数といって体格を判定するものです。BMI指数は体重を身長の2乗で割るという考え方が基本になっていますが、その後の研究でBMI指数が体脂肪率と相関関係にある(関連性がある)ことが分かりました。
体脂肪率が過度に増えると病気になる可能性も増えますから、BMI指数をチェックしておくことは健康管理的に意味のあることです。実際、BMIが高いと生活習慣病を発症する確率が高くなります。
BMI(ボディマスインデックス)の計算方法
BMI指数は身長と体重から計算されますが、BMI指数22が標準体重です。25以上で肥満、18.5以下で痩せ過ぎになります。興味深いことに、BMI指数が22の時にもっとも病気になりにくいことが統計的に示されています。
従って、なるべくBMI指数が22になるように体型をコントロールすれば健康的に過ごせる確率が増えるわけです。ただ、体型のコントロールと言っても身長は縮んだり伸びたりできませんから、体重を増減させて指数が22に近づくように努力するしかありません。
BMIが22~23を標準体重、BMIが18~20を美容体重と言います。標準体重は健康的な生活ができる体重で美容体重はお洒落も楽しめる体重だそうです。当然、スレンダーな体型になります。
BMIの計算式は国際的に共通で、身長と体重が分かれば計算できます。以下がBMI指数の数式です。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)
2
適正体重 = 身長 × 22.0
BMIが18.5未満は痩せ過ぎ、18.5~25未満は普通、25~30未満が肥満1度、30~35未満が肥満2度、35~40未満が肥満3度、40以上が肥満4度になります。ちなみに、日本人の一般的な男性のBMIは23~27、女性は19~30とのことです。
子供の場合はカウプ指数を使います(計算式はBMIと同じ)。その適正体重のBMIは出生時で13、乳児(3ヶ月以上)で15~17、1~2歳で15~17、3~5歳で14.5~16.5です。
簡単ですよね。体重の単位はキログラムです。身長はメートルで計算するのですが、センチメートルの方が使いやすそうですね。
この数式はBMIの関数とも言い換えられます。入力が身長と体重で、計算式があって、出力としてBMI指数と適正体重が出てくる関数です。図で示すと次のような感じです。
| 身長(cm) | ⇒ rpn ⇒ | BMI指数 |
| 体重(kg) | | 適正体重(kg) |
+----------+ +--------------+
rpnで計算してみましょう。身長が170cmで体重が60kgの人のBMI指数と適正体重は次のとおりです。
20.7612 63.58
答えが出ましたね。BMI指数が20.8で適正体重が63.6kgです。もうちょっとだけ太ってもいいということですね。
一行でrpnプログラム
BMI指数の計算は、上記のようなrpnの式を覚えていてもいいのですが、しばらく経ったら絶対に忘れてしまいますよね。この計算式をrpnプログラムとしてまとめて保存しておけば、記述ミスもなく何度も使えるようになります。
rpnプログラムとして保存する方法は簡単です。先ほどのrpnの式の一部をそのままファイルに保存すればOKです。以下にBMIを計算するrpnプログラムを示します。ウェブ画面からコピーしてください。
===(この行の1行下からコピー)===
#w 100 / #l @w @l . * / @l . * 22 *
===(この行の1行上までコピー)===
プログラムの部分をコピーしたらテキストファイルに貼り付けて、ファイル名を"bmi.rpn"として保存してください。1行だけのrpnファイルです。
メモ帳などで保存するとファイル名が"bmi.rpn.txt"になっていますので、"bmi.rpn"に名前を変更してください。
bmi.rpnファイルは適当なフォルダに保存しておいてください。ここでは、c:\rpnディレクトリに保存してあるものとして説明します。DOSプロンプトを起動して、c:\rpnまで移動してください。以下のrpn式を入力するとBMI指数を計算してくれます。
20.7612 63.58
rpnプログラムの使い方ですが、身長(cm)と体重(kg)を指定して、次にrpnファイルの名前を"<"付きで書くだけです。
計算結果は先ほどと同じになるはずです。このようにrpnの式をテキストファイルにコピーしたrpnファイルがあれば、いつでもBMI指数を計算することができます。簡単ですよね。
rpnを使うにはDOSの知識が少し必要です。DOSの詳しい説明はdos入門にあります。最初はとっつき難いかもしれませんが、DOSの使い方を実例付きで学ぶことができます。
ちょっと本格的な複数行のrpnプログラム
ところで、プログラムと言えばもうちょっと複雑なものが多いですよね。事実、BMI指数の計算くらいならrpnの式を一行で書けますが、大きなものになると一行で書くには無理があります。
大きなプログラムを書く練習のつもりで、BMIのrpnファイルを大規模プログラム風に書き換えてみましょう。プログラムにはコメントも書いて、より分かりやすくしてあります。上記と同じように以下のプログラムをウェブ画面からコピーしてください。
===(この行の1行下からコピー)===
\ BMI値算出プログラム
\ rpn 170 60 <bmi.rpn
#w \ w = stack(体重kg)
100 / #l \ l = stack(身長cm) / 100
@w @l . * / \ stack = w / l^2 ;BMI値
@l . * 22 * \ stack = l^2 * 22 ;適正体重
===(この行の1行上までコピー)===
プログラムの部分をコピーしたら、先ほどと同様にテキストファイルに貼り付けてファイル名を"bmi.rpn"として保存してください。今度は7行のrpnファイルです。ファイルの内容は以下のようになっているはずです。typeコマンドで確認してみてください。
\ BMI値算出プログラム
\ rpn 170 60 <bmi.rpn
#w \ w = stack(体重kg)
100 / #l \ l = stack(身長cm) / 100
@w @l . * / \ stack = w / l^2 ;BMI値
@l . * 22 * \ stack = l^2 * 22 ;適正体重
このbmi.rpnの使い方は先ほどとまったく同じです。
20.7612 63.58
計算結果も同じになりましたね。
BMI指数の計算は簡単なので一行でプログラムを書いてもいいのですが、もうちょっと長いプログラムになってくると、一行ごとに区切りやコメントがある方が分かりやすく修正も容易なので、なるべく後者のスタイルでrpnファイルを保存しておく方がいいでしょう。
最後にですが、このrpnファイルは以下のようにしても答えが出てきます。
20.7612 63.58
bmi.rpnファイルをtypeで表示して、それを繋いでrpnに渡します。渡されたrpnプログラムは身長と体重を使ってBMI指数と適正体重を計算しています。どちらの形式を使っても構いません。好きな方でいいでしょう。
BMIと生活習慣病の関係
BMI指数は18.5~25未満が標準です。実際、BMI指数が25を超えたら生活習慣病の危険があるそうです。具体的な病名として、高脂血症、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症がありますが、発病率が2倍になるらしいです。逆にBMI指数が20を切るとガンになるリスクが増すという話もありますし、痩せ過ぎもこれまた良くないようです。
男女共にBMIが24~26未満のときに最も死亡率が低かったという研究もあります。つまり、肥満1度の方が標準体型の人よりも安心ということになります(健康に生活できるか否かは別問題)。
あなたのBMI指数は大丈夫でしたか。
適正な体重を保つための秘訣が、応用コーナーの基礎代謝とダイエットに詳しくあります。興味のある人は閲覧ください。
rpnプログラムを実行するには、rpn試用版かrpn標準版が必要です(バージョンの違いはこちら)。