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消費税の増税と沈む景気

 2014年4月から消費税が5%から8%になりました。前回は消費税3%から5%なので約67%の増加率です。今回は5%から8%なので60%の増加率。ほぼ同じ増加感です。来年の10月には10%も予定されています。

消費税増税時に話題になる自販機の缶コーヒー。消費税3%の頃に100円が110円に、5%の頃に120円に、8%増税時は130円になりました。消費税は0%から8%の増加なのに自販機の100円から130円の増加率は30%です。30%-8%=22%分は消費税で説明できず、便乗値上げと毎回声が上がります。
消費税8%の施行後、3月までの税込価格(5%)を税抜価格としている販売店が見受けられました。1.05*1.08=1.134で消費税13.4%に相当します。便乗値上げ分は5.4%になりますが、5%から8%で3%、便乗分の5%で合計8%。その店の値上がり感は消費税0%から8%に急増した感覚と一致します。

ところで消費税って青天井に上がっていくものなのでしょうか。直接税、間接税を問わず、景気が良ければ税収が増えることは間違いありませんが、そもそも景気と消費税ってどんな関係にあるんでしょうか。

四半世紀の一般会計データ

 ここに1989年から2013年までの四半世紀(25年間)に渡るデータがあります。最初の数字が年、次が消費税の税収額、最後が一般会計の税収額です。共に単位は兆円です。

  1989   3.3  54.9      1999  10.4  47.2      2009   9.8  38.7
  1990   4.6  60.1      2000   9.8  50.7      2010  10.0  41.5
  1991   5.0  59.8      2001   9.8  47.9      2011  10.2  42.8
  1992   5.2  54.4      2002   9.8  43.8      2012  10.4  42.6
  1993   5.6  54.1      2003   9.7  43.3      2013  10.6  42.9
  1994   5.6  51.0      2004  10.0  45.6
  1995   5.8  51.9      2005  10.6  49.1
  1996   6.1  52.1      2006  10.5  49.1
  1997   9.3  53.9      2007  10.3  51.0
  1998  10.1  49.4      2008  10.0  44.3


一般会計とは基本的な行政サービス(教育、福祉、土木等)を行なうための会計で目的は限定されていません。なお、特定の事業を一般会計と区分けした特別会計もあります(国民健康保険や下水道事業等)。予算規模は一般会計よりも遥かに巨大で300兆円を超えます(6倍以上)。
一般会計歳入(税収)の内訳は、約7割が所得税・法人税・消費税等の租税、印紙収入。残りの約3割が特例・建設公債金の収入です。※割合は変動します。場合によっては公債金が5割を越えることもあります。
公務員の総数は900万人。人件費の総額は72兆円にも及びます。一般・特別会計の約20%です。

データはファイルの"tax.txt"に格納されています。tax.txtファイルの内容は次のとおりです。

  >type tax.txt
  1989 3.3 54.9
  1990 4.6 60.1
  1991 5 59.8
        :
     (中略)
        :
  2011 10.2 42.8
  2012 10.4 42.6
  2013 10.6 42.9


消費税は当初の3.3兆円から2013年には10.6兆円になっているので、実に3.2倍になっています。一方、一般会計はというと0.78倍です。普通に考えると税収が少なくなっているので、景気は悪化していることになります。

複利計算すると25年で3.3兆円が10.6兆円になる年率は4.8%です。

一般会計税収額の基本統計量

 さらにデータを解析してみましょう。まずは、一般会計のデータ部分だけを取り出して、基本統計量を計算してみます。

  >rpn _, <tax.txt | rpn -c statinfo
  デ ー タ        25
  最 小 値        38.7
  最 大 値        60.1
  範    囲        21.4
  合 計 値(Σ)    1222.1
  平 均 値(μ)    48.884
  分 散 値(σ2)   30.3669
  標準偏差(σ)    5.51062
  分 散 値(s2)   31.6322
  標準偏差(s)    5.62425
  歪度(a3≒0)    0.205982
  尖度(a4≒3)    2.34331
  変動係数(ν)    0.115053


25年間で一般会計の税収の最小は38.7兆円。最大は60.1兆円です。その差は21.4兆円なので変動幅がとても大きい様子が窺えますが、平均すると48.9兆円です。幹葉表示で分布を確認すると次のようになります。

  >rpn _, <tax.txt | rpn -c stemleaf
   3 | 8
   4 | 1222334577999
   5 | 0111234449
   6 | 0


税収の内情を見ると60兆円台は1回だけで、ほとんどは40兆~50兆円の範囲です。それでは、これらの税収額は一定しているのでしょうか。

一般会計と消費税の税収推移

 分布だけでは分かりづらいので、両方の税収額を時系列にグラフ化してみましょう。データ増減の推移が分かると見えてくるものがあります。

  >rpn { _ <tax.txt | rpn 1 -c rownum >tmp
  >xyp -x,25 -y,65 -s5,10 -m -n -w60 -k2 <tmp
  ^y 65
  |   +  +
  50+      + +      +  +
  |             + +      +    + +         + + +
  |                        +       +   +         +
  40                                 +               +  + +  +
  |                                                +
  30
  |
  |
  20
  |
  10                   * * *  * *  * * *  * * *  * * *  * *  *
  |   *  * * *  * * *                                        x
  |o*                                                       25
  +----------5-----------10----------15----------20---------->


プロット文字の"+"が一般会計の税収で、"*"が消費税の税収になります(共に単位は兆円)。一般会計が長期にわたって下降していることが分かります。対して、消費税は確実にアップしています。消費税部分だけをピックアップしてグラフにすると次になります。

  >rpn _ _, <tax.txt | rpn 1 -c rownum >tmp
  >xyp -x,25 -y,15 -m -s5,5 -n <tmp | npd
  ^y 15
  |
  |       消費税5%(1997年)
  |             |
  10            v* *        * **     * * *
  |             *   * ** **      ** *
  |
  |
  |           *
  5     ** **
  |  **
  |*<-- 消費税3%(1989年)
  |
  |                                      x
  |o                                    25
  +------5-------10------15------20------>


グラフを見ると消費税導入から10年目(1998年頃)で高止まりしているのが分かります。興味深いことに1997年は消費税が3%から5%に増税となった年です。

導入時の消費税3%から順調に税収は上がっていましたが、+2%の5%になった段階から停滞していることが分かります。2014年4月には消費税が+3%の8%になりますが、果たして税収は伸びるのでしょうか。疑問は残ります。

一般会計税収額と消費税収額は逆相関

 これらのグラフからは景気が良くなって税収が上がるのと異なった印象を受けます。実際に25年間のデータを使って、一般会計の税収と消費税の税収とで相関係数を計算してみましょう。rpnなら一行で即、計算できます。

  >rpn { _ <tax.txt | rpn -c r
  -0.753924


計算の結果、相関係数は-0.753924で見事な逆相関です。つまり、一方が上がれば一方が下がる負の相関です。一般会計の税収が減ると消費税収は増えるのです。

消費税収と正の相関が考えられる事例があります。例えば生活保護者数は消費税5%から急増しています。また自殺者数が2万人台から3万人に跳ね上がったのも5%から。完全失業者数が増えたのも5%の時です。消費税の5%増税が原因なのか、景気低迷が原因なのかは不明ですが、生活保護・失業・自殺の関連性は高く、1997年付近に何らかの外部要因があったことは確かです。
1997年には医療制度改革(診療報酬、薬価基準、高齢者医療、医療提供)も行なわれています。

当然、一般会計に占める消費税の割合はどんどん上昇していきます。

  >rpn { _ <tax.txt | rpn / | rpn 1 -c rownum >tmp
  >xyp -x,25 -y,.5 -m -s5,.1 -n <tmp
  ^y 0.5
  |
  0.4
  |
  |
  0.3
  |
  |                               * ** * *
  0.2            * *  ** ** * ** *
  |             *   *
  |
  0.1    * ** *
  |  ** *
  |*                                     x
  |o                                    25
  +------5-------10------15------20------>


最近ではなんと25%(正確には24.7%)にも及んでいます。つまり、特別会計を除く税収(一般会計)の1/4は消費税による間接税でまかなわれています。25年前には、0%だったものが今では25%も占めているわけです。

一般会計に対する消費税の割合はしばらく20%くらいで留まっていたのですが、近年は25%まで上昇しています。もはや消費税でしか税収をカバーできなくなっているのでしょうか。消費に課税するという仕組みにもいずれ限度が出てくるはずです。
ビフォー消費税(~1988)とアフター消費税(1989~)で切り分けて、経済活動を俯瞰すると面白い考察ができるかもしれません。

一般会計の税収額が景気と連動していると仮定すると、消費税収額は景気と連動していないことになります。要は景気に左右されず、消費税収額は上がり続けることになるわけです。

次は…

 一般会計の税収を景気のバロメータとして捉えて、消費税との相関を考察してみました。結果、消費税の税収は景気とは関係がないことがデータから浮き彫りになってきました。

消費税の税収は高止まりになっていますが、国民がこれ以上の消費活動を望んでいない証でもあります。会社員の給与が増えない以上、消費が増えるはずがなく、企業レベルにおいてもビジネスが停滞していることを示唆しています。そして、一般会計自体は縮小、消費税の構成比は高まる一方です。

次は景気の先行指標としての日経平均株価を見てみます。この日経平均と消費税の関連はどうなっているのでしょう。消費税の導入年から25年に渡る株価と照らし合わせ考えてみましょう。

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