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放射能からのサバイバル(中編)

 放射能の影響度合いを示すベクレルやシーベルトの基礎的な知識を、放射能からのサバイバル(前編)で確認しました。また、過去の放射能関連の実験・事故・事象等と比較することにより、今回の福島原発事故の規模と位置付けを把握することができました。

中編ではチェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故における放射能汚染の違いについて見ていきます。フォールアウト後の土壌汚染がもたらす外部被曝や、海洋に流出した放射性物質による汚染の影響と事例を示します。これらの汚染度合いを知ることで必要な対策レベルが分かります。

チェルノブイリと福島の比較

 放射性物質による土壌の汚染はフォールアウト(放射性物質の降下)から始まります。日本列島に降下した量を過去の事例と比較してみることで、今回の事故の深刻さが分かります。

                福島第一原発事故のフォールアウト(セシウム137のみ)
  ===============================================================================
      6,500Bq/㎡(0.16Ci/k㎡~)  福島第一原発事故        (東京3月18日~月末)
     26,000Bq/㎡(0.70Ci/k㎡~)  福島第一原発事故        (ひたちなか3月18日~月末)
        100Bq/㎡(0.002Ci/k㎡~) チェルノブイリ原発事故  (参考)(1986年4月(一ヶ月))
        500Bq/㎡(0.01Ci/k㎡~)  広島原爆の黒い雨        (参考)(1945年8月)
        550Bq/㎡(0.01Ci/k㎡~)  米ソ等による核実験      (参考)(1963年6月)
      2,000Bq/㎡(0.05Ci/k㎡~)  米ソ等による核実験      (参考)(1963年の単年)
      7,000Bq/㎡(0.18Ci/k㎡~)  米ソ等による核実験      (参考)(2009年迄の累積)
   -------------------------------------------------------------------------------
  ※福島県と宮城県は計測不能となっており、肝心な3月の定時降下物の確認ができません。
  ※広島の黒い雨は短時間に降っているので、1ヶ月単位のBq数と同列には論じられません。


チェルノブイリ事故での放射性物質の総放出量は、過去の大気圏核実験で放出された総量に匹敵するとのことですが、別資料によればチェルノブイリの放出量は核実験の1/10程度。研究機関によって放出量の推定にはかなりの誤差があります。なお、福島原発事故での放出量は日本政府の公表値でさえも1945年からの原爆実験を含めた過去のどの年よりも多いものです。
日本の土壌に降り積る放射性セシウムは、核実験時代には毎月100Bq/㎡(100MBq/k㎡)降下していました。多いときで550Bq/㎡(1963年6月)です。30年経過して徐々に降下量は低下し、0.1Bq/㎡になったときにチェルノブイリ原発事故が発生。ピーク月に100Bq/㎡を記録しました。その後、半年ほどで0.1Bq/㎡まで再度低下し、福島原発事故前には0.01Bq/㎡を下回っていました。今回の原発事故では3月に茨城で26000Bq/㎡、東京で16600Bq/㎡を記録。圧倒的な降下量です。
核実験時代に北半球に飛散した放射性物質は毎月500Bq/㎡とのこと(日本は100Bq/㎡)。対して福島原発事故で福島周辺に飛散した放射性物質は数十万Bq/㎡になります。仮に十万Bq/㎡として核実験時代の100Bq/㎡で割ると1000ヶ月分(年換算で83年分)です。たった数ヶ月(数日の可能性も)で核実験時代に生きた人の一生分の被曝量に相当する降下量を経験しているわけです。
1000万人都市の東京は、2011年3月で16600Bq/㎡(16.6GBq/k㎡)の降下量(放射性セシウムのみ)です。核実験時代の最大降下量は約100Bq/㎡(100MBq/k㎡)なので約166倍。つまり、166か月分(約14年間)のフォールアウトを僅か1ヶ月(実質、数日間)で受けたことになります。
2011年12月現在、宮城県の値は公表されていません。計測機器の故障とのことですが…。そして、同12月の福島県双葉郡のセシウム降下量は20670Bq/㎡です。
2012年7月に放射性ストロンチウムの降下量を公表(宮城と福島を除く)。2000年以降では2006年2月に記録された北海道の0.3Bq/㎡が最大でしたが、岩手、秋田、山形、栃木、群馬、埼玉、茨城、千葉、東京、神奈川でこの記録を更新(最大は茨城県で2011年3月の6Bq/㎡(同月の放射性セシウムは17100Bq/㎡))。なお、過去最大は 1963年6月に宮城県で測定された358Bq/㎡です。
2011年3月15日から月末頃に首都圏に降った黄色い粉は原子炉への海水注入で塩素が中性子と反応して生じた放射性硫黄です(翌年8月にカリフォルニア大の研究チームが発表)。当時、気象庁は単なる花粉と発表しましたが、チェルノブイリの時も黄色い粉や雨が確認されていました。
2014年1月26日、福島県の放射性セシウム降下量はわずか1日だけで48MBq/k㎡でした。福島原発の状態と風向き次第で、まだ大量の放射性物質がフォールアウトしていることが分かります。

フォールアウト(降下量)をk㎡から㎡に変換

日本では㎡よりもk㎡を使う傾向にあるようなので、k㎡から㎡への変換が簡単にできれば外国の事例との比較に助かります。

付箋Bq/k㎡を百万分の1にするとBq/㎡になります(逆にBq/㎡を百万倍するとBq/k㎡)。


  例:50MBq/k㎡の降下量は1㎡ではどれくらいになるでしょうか。

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1k㎡は1,000,000㎡なので、100MBq/k㎡は100Bq/㎡です。つまり、50MBq/k㎡と記載してあれば(Mはメガの略で100万のこと)、50Bq/㎡になります。逆に考えるとチェルノブイリ原発事故における最大降下量(一ヶ月)は100Bq/㎡だったので100MBq/k㎡ということになります。

福島市における2013年4月下旬のある一日の放射性セシウムフォールアウトは100MBq/k㎡です。

ただし、フォールアウトした量の全てがそのまま土壌に溜まるわけではありません。あるものは土の中に浸透し、あるものは土の表層に留まり、残りは雨によって他へ流れていきます。表層の一部は風でも飛ばされます。結局、フォールアウトした放射性物質の蓄積が土壌の汚染に繋がるわけです。

        *


 さて、肝心な土壌への蓄積なのですが、福島原発事故の場合、避難区域以外でも1000Bq/㎡(20Bq/kg)から100万Bq/㎡(2万Bq/kg)まで汚染地域が点在しているらしく、残念なことにチェルノブイリと比較してもかなり深刻であることが分かります。例えば、福島市が平均16万Bq/㎡(3200Bq/kg)、郡山市が平均10万Bq/㎡(2000Bq/kg)です。

3月15日PMで、飯舘村(原発から38km)の葉菜から放射性ヨウ素が120万Bq/kg検出されています。
土壌汚染による健康被害は3000Bq/㎡(60Bq/kg)からとする専門家もいるそうですが、ドイツとイタリアで健康被害が発生し、フランスでは発生していない(高濃度汚染の場所は除いて)ことを考えると妥当な数値かもしれません。
ベラルーシのゴメリ州で医療に従事するスモルニコワ医師によると、子供は1000Bq/㎡(20Bq/kg)の土壌汚染ならまだ安全だが、子供で2500Bq/㎡(50Bq/kg)、大人で10000Bq/㎡(200Bq/kg)からは危険とのことです。上記の3000Bq/㎡(60Bq/kg)とも大体一致します。

セシウム汚染の最高値は原発のあった大熊町東平で、5月25日の採取土から5778万Bq/㎡(115万Bq/kg)もの放射性セシウムが検出されています(セシウム134が2777万Bq/㎡、セシウム137が3000万Bq/㎡)。チェルノブイリの最高値を軽く超えていて、実に強制避難区域の約40倍です。

3月16日に双葉町山田で放射性セシウムが2120万Bq/㎡(42万Bq/kg)、放射性ヨウ素が1億6600万Bq/㎡(332万Bq/kg)検出されています(空間線量300μSv/h)。浪江町赤宇木で放射性ヨウ素2320万Bq/㎡、放射性セシウム400万Bq/㎡(8万Bq/kg)検出。原発から北西方面の汚染は深刻です。
森林汚染した放射性セシウムは落ち葉に90%、土壌に10%移動して、何度も環境を循環します。
大熊町東平の空間放射線量は地面で180μSv/h、1mの高さで140μSv/hです。また、事故後1年半を経過した大熊町工業団地内に2500万Bq/kg超の堆積物が確認されています。
京都大学の調査では福島県飯舘村の分析から放射性ストロンチウムは放射性セシウムに比べて100から1000分の1の飛散量。プルトニウムはセシウムの100万分の1だったようです。しかし、米国家核安全保障局の土壌調査によればセシウムに対するストロンチウムの割合は30%超です。

今後、ホットスポット等で高い値が観測されるでしょうが、740Bq/kgでチェルノブイリの放射線管理区域に該当、約3万Bq/kgで強制避難区域に達する危険な値と覚えておくといいでしょう。

放射性物質の拡散は福島だけではない

 年の瀬も押し迫った同年12月に文部科学省が発表したところによると、福島県に降った放射性物質の量は事故後4ヵ月積算(3~6月)で683万Bq/㎡でした(94%が3月に集中)。この降下量は福島県以外の総量の実に47倍です。値だけでもかなり深刻ですが、山林が多い福島県の汚染地域は不均等で相当のばらつきがある上に高線量のホットスポットも予想され、対策は困難を極めます。

植物は土壌から放射性物質を吸収しますが、福島県飯舘村の農家で薪ストーブの灰から放射性セシウム(134と137合算)で189000Bq/kg、除染目的のヒマワリの根の焼却灰で91600Bq/kgです。
一般家庭にも放射性物質は入り込んできます。岩手県一関市や千葉県柏市でハウスダストから6000Bq/kg、福島市で最大2万Bq/kgもの放射性セシウムを検出。翌年4月には千葉・茨城両県で調査した257世帯の平均が1956Bq/kgでした(最大は流山市で2万Bq/kg、牛久市で14531Bq/kg)。ちなみに、千葉県柏市では民家の屋根の土で17万7000Bq/kgのセシウムが検出されています。
9月から11月に福島県双葉町と浪江町で採取した落ち葉は放射性セシウムで444万Bq/kg。福島の学校プールに溜まった水は2万Bq/kgです。生物、環境濃縮は凄まじい勢いで進んでいます。除染の効果が疑われる事例も報告され始めており、もはや帰還を問う地域ではない気がします。
東京都でも足立区12400Bq/kg、江戸川区12500~20700Bq/kg、観光名所でもある港区お台場の植え込み土壌で10600Bq/kgなど、空間線量の低下とは裏腹に日常汚染の世界が広がっています。
事故翌年の2月には東京都台東区の土壌で68600Bq/kgが測定されています(放射性ストロンチウムも14.5Bq/kg検出)。何の変哲もない側溝で普通に数万Bq/kg、公園のブランコ近くで数千Bq/kgの汚染度です。そして3月、目黒区のカーポート屋根の土で11万Bq/kg(放射性セシウム)が測定され、4月には東京23区の花見の桜の花びらが235Bq/kg(放射性セシウム)など、既に放射性物質の拡散は広範囲に及び、生活と隣り合わせの毎日であることをデータは語っています。
東京都杉並区の空気清浄機フィルタ(2010年12月から2011年10月まで24時間稼動)から放射性セシウムが5834.5Bq/kg検出されました。放射性物質を含む塵・埃が室内で舞っている証拠です。
2011年に富士山5合目の霧から最大63Bq/kgの放射性セシウムを検出しています。なお、山頂の汚染はなかったそうで、放射能の雲がどのくらいの高さで通過したかの目安になるとのこと。
2012年6月には東京都葛飾区水元公園で25万Bq/kg(放射セシウム合算)を検出。公園内の複数の場所で地上1mの高さで1μSv/h以上の空間線量が確認されました(植え込みで最大1.22μSv/h)。
東京タワー付近のビル20階にあるエアコンのフィルターからウランが3000Bq/kg検出されています。通常は20Bq/kg程度だそうなので、増加分は福島原発からの飛散に間違いありません。また群馬県では放射性セシウムに加えてコバルトも検出されています。関東圏の汚染は確かです。
千葉県南部と東葛地区の計13市2町の土壌に含まれる放射性セシウムを民間団体が2012年1月から9月に渡って調査(1k㎡×1532区画から984検体)。平均4万Bq/㎡超であることが報道されました(チェルノブイリの第4区分(放射線管理区域)以上)。千葉県にはホットスポットが存在していますが、関東圏や東北においても同様なホットスポットがある地域の土壌汚染度が窺えます。
2013年5月、NPO法人が福島市立図書館駐車場の土壌から43万Bq/kgの放射性セシウムを検出(空間線量3.8μSv/h)。除染済みのはずの公共施設ですら行政による監視は行き届いていません。
同月に福島県郡山市の中学生のジャージや長ズボンから放射性セシウムが359Bq/kg検出されました。また翌月には南相馬市在住の人のTシャツから423Bq/kgを検出。衣服に付着した放射性物質による被曝回避は困難です。放射能汚染が日常空間に及んでいることを示しています。
2013年6月、宮城県角田市の小学校プール汚泥から放射性セシウムが2万Bq/kg検出されました。
2013年6月に福島県楢葉町の河原(原発から16km)で3.4mSv/hの破片(3cm×1.5cm)が発見されました(表面放射線量)。翌月には12mSv/hの破片(2cm×2cm)も発見。爆発時のものとすればプルトニウムは重くて飛ばないとの説明と矛盾しています。なお、現場は避難指示解除準備区域です。
楢葉町で見つかった物質を東電が分析したところ(翌年2月12日発表)、β線で35.6mSv/hが検出されました(α線核種にはプルトニウム、アメリシウム、キュリウムが、β線核種にはストロンチウム)。また、発見された付近の土壌よりもセシウム137が多く、また現地にはないコバルト60が検出されており、原子力発電所構内にあった物質と推定されました(MOX燃料由来と認定)。
2013年6月、茨城県取手市の住民清掃活動で出た汚泥から148,05Bq/kgが検出され、搬入先の廃棄物処理業者が受け取り拒否。同県牛久市では77,000Bq/kgの汚泥。汚染の広がりは深刻です。
2013年7月時点でも福島県浄化センターの汚泥から放射性ヨウ素が663Bq/kg検出されています。メルトダウンした核燃料の再臨界なしに大量のヨウ素が検出される説明はなされていません。
2013年夏に福島県いわき市は四倉、勿来の海開きをしました。海水浴場に訪れた人は延べ35000人です。行政は安全をアピールしていましたが、空間線量は最大0.97μSv/h、最小0.046μSv/hでした。砂浜の汚染度合いは放射性セシウムが最大で3167Bq/kgです。問題の海水は検出限界とした0.452Bq/kg(平均0.348μSv)を上回っていなかったようです(値が安全かどうかは別問題)。
2013年10月、神奈川県横浜市の小中学校の雨水利用施設の汚泥から8000Bq/kg超が検出されています。超過した17校の汚泥の平均値は11344Bq/kg、中央値で9690Bq/kg、最大値は25100Bq/kg。
2013年11月、千葉県柏市の住宅で掃除機が吸い取ったハウスダストは約670Bq/kg(セシウム134が約210Bq/kg、残りがセシウム137)でした。同市での6000Bq/kgのケースに比べれば良い方ですが、それでも放射性物質が塵や埃に付着して日常空間を漂っている状況は避けたいものです。
2013年12月の首都圏において、水道の浄水過程で発生した土から放射性セシウムが検出されています。三郷浄水場の313Bq/kgを筆頭に金町で281Bq/kg、玉川194Bq/kg、朝霞72Bq/kg、東村山57Bq/kgとなっています。また神奈川県の生田浄水場は120Bq/kg、宮城県の高舘浄水場は253Bq/kgのように東日本の広範囲に水源が汚染されている様子が分かります。
2011年3月から玄関先(東京都杉並区)に置いてあるベビーカーから413Bq/kgが検出されています(計測は2014年1月なので約3年間の蓄積)。一方、東京都世田谷区で3月11日以降も使っていた未洗濯のマフラーは2013年11月に測定して未検出となっています(検出下限値は3Bq/kg)。
2014年1月下旬に東京都下水道局が江戸川区の汚泥焼却灰から放射性セシウムを1420Bq/kg検出しました。2番目に多いのは国立市泉で790Bq/kg、次は板橋区の650Bq/kgです。また、八王子の施設ではヨウ素131が95Bq/kg検出されています。首都圏全体の下水処理場(12ヶ所)の汚泥焼却灰の平均はセシウム134が144Bq/kg、セシウム137が346B/kg、セシウム合計で490Bq/kgです。
2014年2月、東京都世田谷区で11階にある住居の掃除機ゴミパックから放射性セシウムが81Bq/kg検出されています。福島県から遠ざかるほどハウスダストの汚染度は低くなりますが、東京でも100Bq/kg前後あることが分かります。呼吸による内部被曝を避けることは困難です。
事故から3年後、2011年3月14に茨城県つくば市で採取された放射性物質の微粒子からウランが検出されていたことが発表されました。ウラン235の割合が天然ウラン(0.7%)と異なり、低濃縮ウラン(3~5%)であることが判明。明らかに原発由来で、東日本大震災の3日後のことです。

チェルノブイリにはなかった海洋への汚染

 今後は海洋汚染にも注意が必要です。海洋生物は海底に生える藻や海草、海中を漂うプランクトン、それらを食べる小魚。捕食する中型魚。そして大型魚など様々ですが、生物濃縮はすべて海水の汚染と海底土の汚染から始まります。

4号機のタービン建屋1階で見つかった汚染水4.2トンは、循環注水冷却システムへのパイプ(ビニール製のホース)から漏れた3号機建屋地下からの高濃度汚染水で、その値は7700万Bq/kg。

福島第一原発の1~4号機の取水口付近の海底土から160万Bq/kgが測定されています。kgから㎡へ変換すると8000万Bq/㎡です。チェルノブイリの第1区分(強制避難区域)下限の実に54倍です。大熊町で60万Bq/kg(セシウム合算だと120万Bq/kg程度)が測定されていますが、陸上と同様に海洋汚染が深刻であることが分かります。

福島原発事故以前、全国の原発付近の海水に含まれる放射性物質は約1mBq/kg(セシウム137)、放水口付近は2mBq/kg前後、そこで獲れる海産物(魚類)は約0.1Bq/kgでした。
2011年5月には福島県の海藻(アカモク)から放射性ヨウ素が127000Bq/kg検出されています。
東京海洋大学の試算では、2011年6月以降、3億Bq/h~39億Bq/hもの汚染水(セシウム137のみ)が海に流出しているとのことです(2013年3月現在)。地下水や配管からの漏洩が疑われています。

2011年8月下旬、福島県沖の放射性セシウムによる海水汚染は0.072Bq/kg、茨城県沖で0.0015Bq/kg(1.5mBq/kg)でした(セシウム137)。しかし、宮城県から千葉県近海の30ヶ所の海底土汚染モニター(9月上旬)では平均93Bq/kg(8.4~520Bq/kg)もあります。セシウム134を加えるとほぼ倍の計算です。福島沿岸に至ってはセシウム合計で最大1440Bq/kgです。

1ヵ月後の海底土汚染のモニター(10月中旬)では、放射性セシウムが平均78Bq/kg(4.7~380Bq/kg)でした(95%信頼区間で46Bq~109Bq)。また、水深10mの地点で220~260Bq/kg、水深20mで200~300Bq/kgと陸からの距離や深さが直接に影響しているわけでもなさそうで、やはり海の場合は潮流の影響が大きいようです。

ダイバーが海底で計測した線量は1.74μSv/h。あの広く深い、膨大な海水で1μSv/hを超えています。今なお放射性物質が漏れている現状では、海流による拡散を期待してもどこまで値が減るのか分かりません。そして、40Bq/kgの海水から421Bq/kgのアラメが、それを食べるウニが2017Bq/kgと恐れていた生物濃縮が海でも起こっていることを計測時に確認しています。
2012年8月、原発から北20km(南相馬市沖)のアイナメから放射性セシウムが38000Bq/kg検出されました。仮に50gを食べると1900Bqが体内に入る計算。餌のカニやエビの汚染も心配されます。
その後、2012年12月には福島第一原発港内のムラソイから25万4千Bq/kgが、2013年3月には同港内のアイナメから74万Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。汚染状況は悪化の一途です。

実際、河川から流入した水が茨城から千葉の沿岸部を南下する潮の流れ(地球の自転による沿岸流)があり、銚子沖より南にある犬吠崎沖のほうが汚染が激しいという逆転現象も起きています。

4~5月に流出した放射性ヨウ素とセシウムの総量は4720兆ベクレルです。また、12月時点の試算では海洋に直接流出した放射性ストロンチウムの総量は少なく見積もっても462兆ベクレルとのことです。放射性ヨウ素に比べ半減期の長いセシウムは厄介な存在ですが、骨に蓄積しやすいストロンチウムはセシウム以上に問題です。今後、魚介類への生物濃縮が懸念されます。
12月には福島原発から20km圏内の海域で動物性プランクトンから365Bq/kg検出されています。基準値をどのように設定しても、今後進む生物濃縮を考えると致命的な数値かも知れません。

陸地に降り注いだ放射性物質は河川に向かい、最終的には海に流れ出ます。東京湾も例外ではなく、河口付近で1623Bq/kg、河口で872Bq/kgです。いずれかなりの放射性物質が比較的閉鎖的環境にある湾内に蓄積してしまう可能性があります。魚介類への影響が大きい海の汚染に関しては未知の部分も多く、長期間の海洋汚染監視体制が望まれます。

荒川河口周辺のセシウム調査(2011年8月)から7ヵ月後、近畿大学が再調査を実施。前回の最大汚染地点は18200~27200Bq/㎡に増加して、1.5~1.7倍に濃縮していることが確認されました。
2012年5月には神奈川県の多摩川河川敷の土壌から21000~27000Bq/kgの放射性セシウムが検出されています。支流から本流へと河川は放射性物質を確実に集約していることが分かります。
6月に千葉県手賀沼に河川が注ぎ込む箇所で12200Bq/kgの放射性セシウムが検出されています。
2012年9月、福島県に水源を持つ新潟県信濃川の河口海底(福島原発から200km)で460Bq/kgが測定されました。2011年8月時点での東京湾荒川河口より少ない汚染ですが、それでも核実験時代の数十倍の濃度です。太平洋側に限らず、海洋汚染に関しては日本海も例外ではありません。
2012年11月、福島第一原発取水口内の海水核種分析結果によると、放射性セシウムが26Bq/kg、トリチウムが120Bq/kg、ストロンチウムが170Bq/kg測定されています。計測のしやすさからセシウムばかりがピックアップされていますが、少なくとも海の中ではストロンチウムやトリチウムの汚染度のほうがセシウムよりも桁違いに高いことが分かります。
2013年7月には2号機取水口付近の井戸(海から25m地点)から放射性セシウムが33000Bq/kg(全β線核種で89万Bq/kg)、トリチウムが36万Bq/kg検出されています。海への流出はほぼ確実です。
※トリチウム(三重水素)は除去不可能です。セシウムやストロンチウムと異なり凝集現象(海水と反応して沈降)も起きません。海水と同じように振る舞い、やがて全ての海洋生物を汚染します。β線を放射するトリチウムは発癌物質であり、水分子を含むもの全てが危険になります。
※電気分解によりトリチウムの減容化は可能のようです(新型転換炉原型炉「ふげん」にて実証済み)。ただし、その装置は7億円とのことで、処理するのに1トン当たり2千万円掛かります。全国の原発に配備されていないのは費用が掛かるためで、キセノンにも同様な話があります。
2013年7月11日、福島第一原発3号機の立て坑内の汚染水から放射性セシウムが1億Bq/kg検出されました。国の許容限度の100万倍(許容限度90Bq/kg)です。メルトダウン・メルトアウトした核燃料の場所も特定できず、現代の技術では回収不能です。収束の目処は立っていません。
2013年7月末、東京電力は福島第一原発から汚染水が海に漏れ出ていることを認めました(一日約400トン)。また、2号機のタービン建屋地下より延びるトレンチから23億5000万Bq/kgの放射性セシウムが測定されました(セシウム137が16億Bq/kg、セシウム134が7億5000万Bq/kg、ストロンチウム等のベータ線核種が7億5000万Bq/kg)。この濃度は原子炉内とほぼ同等です。
2013年8月に東京電力は、2011年5月から現在までに20兆~40兆Bqのトリチウムが海に流出しているとの試算を公表しました。放射性ストロンチムについては未試算で、原発周辺海域での魚介類への影響調査を始めるとのこと。後手後手になっている姿が浮き彫りになっています。
2013年8月、福島県双葉町の農業用溜池で46万Bq/kgを検出。都内を流れる江戸川水系の真間川では5800Bq/kg、千葉県の大津川で6700Bq/kg、大堀川で7900Bq/kgです(いずれも底土を測定)。
2014年には福島原発5,6号機の放水口北側でトリチウムが3.7Bq/kg、ストロンチウム90が1.2Bq/kg検出されました。海水はいずれ、雨となって大地に降り注ぎます。

次は…

 福島第一原子力発電所で発生した事故はチェルノブイリと並ぶレベル7の重大事故です。爆発で放出された放射性物質の量こそチェルノブイリより少なかったと言われているものの、1号機から4号機にある燃料の総量はチェルノブイリを余裕で上回っています。

今も放射性物質が漏れ続けている福島第一原発(2014年2月現在)の状況は予断を許しません。ニュース報道も情報入手の一方法ですが、市民レベルで外部被曝の算出根拠となる空間線量をチェックし続けることが大切です。少なくとも平常時の線量との違いを把握しておくべきです。

また、土壌汚染を知る上でベクレル値を参考にすることが多いのですが、どれくらいのベクレル値が健康に害を及ぼすのかが分かりません。後編では土壌汚染の度合いから空間線量を導きます。多少の誤差があったとしても安全サイドで考えて、危険を感じたら退避する心構えが必要です。

そして、食品に含まれる放射性物質を摂取することによる内部被曝は一層深刻です。内部被曝とは何なのか?外部被曝とどこが違うのか?摂取しても大丈夫な放射性物質の量はあるのか?など、放射能が前提の世界で生き残るためには必要な知識ばかりです。

続き(part2)はこちらLinkIcon

警告rpnプログラムを実行するには、rpn試用版かrpn標準版が必要です(バージョンの違いはこちら)。

警告福島第一原発事故に関する覚書的な記事(2011年3月からの約3年間)です。過去に発生した放射能事故や事象との比較・検討も試みていますが、文章や数式の利用により健康的、その他損害を受けたとしても保証できません。また、記事内容が全て正しいという確証もありません。あくまでも解釈は自己責任でお願い致します。

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書籍紹介

記事に関連した書籍

本ウェブサイトで扱った話題に関連した書物で、スタッフが実際に読了したものを紹介。

書籍数学の書籍
数の世界は思ったよりもエキサイティング。

  • 書籍統計の書籍
  • ビジネスで統計が使えるととっても有利。

書籍投資の書籍
失敗しない投資には広範囲で実践的な知識が必要。

警告バックスラッシュはエンマークに読み替えてください( IEのみ)。
バックスラッシュとエンマーク

警告文字で作られた図表や式が崩れることがあります。ブラウザによっては固定幅フォントをMSゴシックにするときれいに表示されます。それでも崩れる場合は図表や式をメモ帳にコピー後、閲覧下さい。

警告rpn試用版と標準版(2kリビジョン)はダブルクォートで囲ってください。

rpn 1 2 + ⇒ rpn "1 2 +"
rpn 1 -c foo ⇒ rpn "1" -c "foo"

ダブルクォートは省略できることが多いのですが、慣れない間は囲んだほうが無難です。なお、本ウェブサイトの記事ではrpn標準版(98リビジョン)を使用しているため囲っていません。詳しくは技術サポートの「rpn TIPS参照ください。

注意rpnの障害情報はこちら

警告rpn試用版の場合、複雑なプログラムや処理時間のかかるプログラムの一部には動作しないものがあるかもしれません。あくまで無料提供であることを勘案・了承ください。rpn標準版は、すべてのプログラムが動作します。