はじめに
いざ計算を始めようとしても、データの形はさまざまです。縦一列のデータや横一行に並んだデータがあるかと思えば、縦横の升目のような行列データまであります。でも、全部のデータが必要なことはあまりありませんよね。
- 特定のデータだけを計算の対象にしたいんだけど…。
- データの形を計算しやすいように変形したいんだけど…。
- データの行と列を入れ替えたいんだけど…。
- 使いたいデータは先頭の一列だけなんだけど…。
- データをランダムにバラバラにしたいんだけど…。
- 連番のデータを簡単に作りたいんだけど…。
計算したいデータは先頭の一列だけとか、特定範囲にある値を持つデータだけという感じで、計算する前のデータの整理や整頓に意外な時間が掛かっていたりします。計算時間より整理・整頓時間の方が多いくらいです。こういった時間はなるべく短くしたいですよね。
データの整理整頓
表計算でも、計算する前に必要なデータだけを切り貼りしていることが多くあります。マウスがカチャカチャ動いているほとんどの時間は、実はデータの移動やコピー、カットアンドペーストだったりします。
また、計算結果をグラフにするときも、縦に数値が並んでいる方が都合がよい場合と、横に並んでいる方が都合がよい場合など、データの形を変更したいことは頻繁にあります。
どうも、計算する前や計算した後に自分の好きなようにデータの形を変換できたらとても便利なようです。そこで、rpnでは計算する前後に必要になるデータ形式変換を専門に行うプログラムを用意しました。それがユーティリティーパッケージです。
ユーティリティーパッケージはrpnの道具箱(ツールボックス)のようなものです。計算しやすい形に数値データを整理・整頓するために必要なツール(rpnプログラム)が入っています。
必要なときにツールを取り出して、データの形式を変換するイメージです。このパッケージがあれば大抵のデータから計算に必要な部分をピックアップしたり、計算しやすい形に変換したりすることができます。
黒点数データを使って
本講座はユーティリティーパッケージの解説がメインになりますが、具体例があると実感が湧きますので、一部の記事では現実的なデータも交えて書いてあります。
2008年9月太陽の黒点数が100年ぶりにゼロになりました。太陽の黒点が少ないことは太陽活動の低下を意味しています。黒点数の推移は今まで周期性があることは認められていますが、大きな曲がり角にきているのかもしれません。以前、17世紀から18世紀に黒点数がほぼゼロの状態が続き、イギリスのテムズ川も凍っていたそうです(ミニ氷河期と言われる)。その頃、日本では戦国から江戸時代にあたるのですが、江戸時代では四大飢饉が起こっています。
黒点データ出典:National Geophysical Data Center
太陽の黒点に関しては実践コーナーの科学アラカルトに地球温暖化と太陽の黒点数として詳しくあります。黒点の影響が地球の温暖化にどのように影響するのかを歴史的な飢饉との関連で調べています。興味のある人は閲覧ください。
本講座で使用したプログラムは、ユーティリティーパッケージとして購入することができます。xypとnpdはrpnの姉妹ソフトウェアです。詳しくはプロダクトを参照ください。